ティアフォーとレベル4自動運転EVの量産で協業を開始しました | 特殊車両ならトノックス
株式会社トノックス(以下トノックス)は、株式会社ティアフォー(ティアフォー)との協業を開始します。
トノックスは車体架装メーカーで、自動運転技術の開発を手がけるティアフォーが、レベル4水準運転機能に対応した商用車両の生産を加速させるため、車両の特殊設計を担うパートナー企業として協業を開始したものです。
1.今回の協業の目的について
トノックスは平塚工場で、ティアフォーの策定した「レベル4自動運転化ガイドライン」に則り、既存の商用車両に対して、レベル4水準の自動運転機能に対応するための電動化・冗長化対策・ボディの設計・製造・構築等を行います。
将来的には生産対象車種をさらに広げ、両者の強みを生かしながら、自動運転技術の社会実装を推進していきます。
トノックスは車体架装メーカーとして、これまで官公庁向け特装車設計・製作を行っており、豊富な経験を持ち合わせています。量産に使われる平塚工場では年間3,000台超を生産しています。
軽乗用車からバス・トラックなどの大型車両まで幅広く多様な車種に対応しており、車両改造や部品・電装品の艤装に関する高度なノウハウと、特殊仕様への対応能力、そして生産体制を確立しています。
2.自動運転EVの量産開始に向けて
今回の協業に伴い、
株式会社トノックスの常務取締役である殿内崇生氏は、
「架装メーカーとして実績と信頼を積み上げた当社と、先端技術である自動運転ソフトウェア開発を進めるティアフォー社との協業は、ハードがソフトの可能性を導き出す新しいクルマ作りへの挑戦です。両社の高い技術力と志を融合させることで、ものづくり企業からモビリティ企業へと進化させ、自動車産業のさらなる発展と移動課題解決に向けて貢献します」
とコメント。
また、株式会社ティアフォーの代表取締役社長 CEO兼務CTOである加藤 真平氏は、
「車体架装のリーディングカンパニーであるトノックス社とオープンソースでの開発を進めるティアフォーとの協業により、様々な自動運転ソフトウェアの搭載が可能なホワイトレーベルEVの量産化モデルを構築、挑戦で得たノウハウの公開により、あらゆる人がEVを生産できる事業を進めます。まさに『自動運転の民主化』を体現していきます」
とコメントしています。
トノックス殿内常務取締役(左)とティアフォー加藤CEO(右)PR TIMESより
3.自動運転(EV)とは
自動運転車とは、人間が操作を行わなくとも自動で走行できる自動車のことです。英語では“Self-driving car”や”Autonomous car”などと表記され、制御システムが「自律型」であることが要件となっています。
つまり、自動運転とは、「自動車の操縦を人の手ではなく、車が自律的に行うシステム」ということです。
航空業界ではオートパイロットという機能が導入され、船舶・ヨットにも導入が進んでいます。
4.自動運転レベルの現状
2023年4月より、遠隔による監視を行うなどの条件のもと、自動運転レベル4での公道走行を認める新制度が導入されました。これは過疎地での無人輸送サービスなどが対象です。
これにより、運転が困難となる高齢者の足となるだけではなく、人口の減少が進む地域において、ドライバーがいない状態でもバスが運行できるなど、交通の利便性が向上する環境が整います。
たとえば現在、長野県塩尻市において、2020年より市と自動運転サービスの導入検討と実証走行を協業進めてきたティアフォーが、国内初の量産型の新型EVバスを用いた自動運転レベル4に向けた走行実験を2023年8月より開始しています。今回の走行実験では、2025年度の導入を目指して、導入後の想定ルートを実際に日常的に走行させ、技術的な検証を行っています。
このほか、2025年に開催される関西万博での来場者輸送を目的に、2022年には自動運転バスの実証実験が行われており、企業主体のものとしては、トヨタ自動車の「e-Palette」、DeNAと日産自動車共同開発の「Easy Ride」、ロボットベンチャーのZMPが自動運転サービスの実用化を進めています。
自家用車においては、自動運転「レベル4」の搭載車種の販売はまだありませんが、実証実験が進み、自動運転導入環境がさらに整備を進められていけば、そう遠くない未来に普及されていくことでしょう。
自動運転「レベル5」(完全自動運転車)については、海外ではテスラがアプローチを進めていることが知られています。
5.自動運行装置「AIパイロット」の認可
2023年10月20日、オープンソースの自動運転ソフトウェアを手掛けるティアフォーは、同社の自動運転システム「AIパイロット」が、国内で初めて自動運転システム「レベル4」の認可を取得したと発表しました。これは道路インフラなどを頼らないもので、自動運行装置が自律的に認知・判断・操作を行うシステムです。認可は道路運送車両法に基づき、運転者を必要としない自動運転「レベル4」のものとなります。
認可の対象となった「GLP ALFALINK相模原」は総延床面積約67万㎡超の日本最大級の最先端物流拠点で、歩行者と一般車両が混在する環境で、道路交通法が適用されています。
自動運転「レベル4」の認可を取得したティアフォーは、認可に関連して得たプロセスや設計を、すべて自動運転システム開発のパートナーに公開すると発表しており、自動運転システムの導入をリードしていく方針です。
6.自動運転システムの今後
政府は「2025年50箇所以上、2027年100個所以上の自治体への自動運転システムの導入」を目標としており、自動車業界は実現するためにさらなる技術向上と、未来を見据えた協力体制を整えていくことが求められています。
架装メーカーのトノックスは、ティアフォーと協業し、自動運転「レベル4」のEVを平塚工場にて量産していきます。
※TIER IV(ティアフォー)について
ティアフォーは、世界初の自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」の開発を主導するディープテック企業として、自動運転技術の社会実装に向けて挑戦を続けています。
「自動運転の民主化」をビジョンとし、世界各地のパートナーと協力して、Autowareを活用したソフトウェアプラットフォームと統合開発環境を自社製品として提供しています。これらの製品を基盤に市場のニーズに対応したソリューションを展開し、顧客と共に自動運転技術の社会実装を推進しています。Autowareが生み出すエコシステムを通じて、個人から組織まで、全てのステークホルダーと共に自動運転技術の可能性を拡大し、より良い社会の実現を目指しています。
AutowareはThe Autoware Foundationの登録商標です。
【社名】 株式会社ティアフォー
【所在地】 東京都品川区
【URL】 https://www.tier4.jp
【設立年月】 2015年12月
【主な事業内容】
・自動運転プラットフォーム開発事業
・自動運転ウェブサービス開発事業
・自動運転システム開発キット販売事業
・自動運転技術の教育事業