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自動車の脱炭素化に向けて① | 特殊車両ならトノックス

日本では現在、自動車電動化に関する考え方と目標、電動車の普及はどのような状況になっているのでしょうか?また、電動車の普及促進に向けたさまざまな支援策や取り組みはなされているのでしょうか?この記事では、環境にやさしい自動車の開発や、脱炭素化の動きについてご紹介いたします。

1.自動車産業における大変革「CASE」

自動車産業において、「CASE」と呼ばれる100年に一度の大変革が起こっています。「CASE」とは、Connected=つながる、Autonomous=自動化、Shared & Service=利活用、Electrified=電動化の略で、2016年のパリモーターショーにおいて、ダイムラーAG・CEOでメルセデス・ベンツの会長を務めるディエター・チェッチェ氏が発表した中長期戦略の中で用いられたのが始まりです。

自動車を選ぶ場合の新しい基準、「電動化」「デジタル化(自動運転)」が掲げられ、自動車の価値構造も大きく変化しています。特に電動化は、「カーボンニュートラル」の実現のカギを握る重要な動きです。「カーボンニュートラル」とは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味し、2020年10月政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを宣言しました。

「カーボンニュートラル」や「脱炭素社会」の実現に向けて「カーボンニュートラル」や「脱炭素社会」の実現に向けて


2.世界的な環境問題への関心の高まり

自動車に大きな変化をもたらしている潮流として、世界共通の目標となっているのが「カーボンニュートラル」や「脱炭素社会」の実現です。「カーボンニュートラル」とは、地球全体の気候変動、環境問題を解決するため、CO2などの温室効果ガスの排出を全体としてゼロにしようというもので、先ほどもお伝えした通り、日本も2050年までに達成するという目標を掲げています。

いっぽう、「カーボンニュートラル」と共によく語られるのが「脱炭素」です。「脱炭素」とは、地球温暖化の原因となるCO2などの温室効果ガスの排出を防ぐために、石油や石炭などの化石燃料の依存から脱却することです。太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーの利用を進めるなど、社会全体を低炭素化する努力を続けた結果として実現する持続可能な世の中が、「脱炭素社会」です。

また、「カーボンニュートラル」「脱炭素社会」の実現のためには、いずれにしても、さまざまな領域での取り組み、課題克服の必要があります。2020年度の時点で、日本におけるCO2排出量のうち、自動車を含む運輸部門からの排出が17.7%を占めていることを鑑みると、脱炭素化に向けての取り組みは、非常に重要なものと言えます。自動車に求められる機能や価値観が大きく変化する中で、「CASE」に沿った技術開発とインフラ整備によって、新たなモビリティ社会を実現していくことが、官民の共通した課題となっています。


3.自動車の脱炭素化に向けて

自動車の脱炭素化はどのような方法で実現されるのでしょうか?
大きな課題のひとつには、「CASE」のうちの「E」にあたる、「Electrified=電動化」を推し進めることです。また、燃料をガソリンからバイオマス燃料や合成燃料(CO2を資源として活用し水素と組み合わせて製造した燃料)などに置き換える方法も考えられています。

自動車の「電動化」といってもさまざまな手法が存在します。電気を動力源として使う自動車を「電動車」と呼びますが、動力源の100%が電気である「EV(電気自動車)」のほかにも、ガソリンと電気の両方を使う「HV・HEV(ハイブリッド自動車)」「PHV・PHEV(プラグイン・ハイブリッド自動車)」、水素を使って電気をつくる「FCV・FCEV(燃料電池自動車)」があります。

これらの電動車には、それぞれに長所と短所があります。たとえば、EVは走行時のCO2排出はゼロですが、コストの高さ、走行距離の長さなどにデメリットを抱えています。また、搭載する電池の製造過程では依然としてCO2が排出され、「脱炭素化」の実現にはまだ課題があります。

これらの電動車について、世界各国でも普及目標を設定し技術開発と政策、官民の両軸で自動車の電動化を目指しています。日本では、前途のような電動車の長所・短所も踏まえ、特定の技術に限定することなく、あらゆる技術の選択肢を考慮する必要があるとしており、「2035年までに、乗用車新車販売を電動車100%にする」という目標を掲げています。