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次世代のエネルギー構造を変えるEV② | 特殊車両ならトノックス

EVとは「Electric Vehicle」の略で、電気モーターを動力源として走行する「電気自動車」のことです。EVは単なる新型の自動車という枠を超え、温暖化対策をはじめとする国際的なエネルギー問題に大きな改革をもたらす可能性を持つものとして、その普及拡大が期待されています。近年さらに注目が高まるEVについて、世界や日本の現状と普及に向けた取り組みには、いったいどんなものがあるのでしょうか?

1.日本のエネルギー構造を変える?

再生可能エネルギー由来の電気(ゼロミッション電源)を使ったEVが普及することは、日本の抱えるエネルギー問題の解決にも貢献する可能性があります。それはエネルギー自給率の問題や、石油依存度の問題です。
2020年度の日本の自給率は11.3%で、他のOECD諸国と比べても低い水準です。日本は、エネルギーのほとんどを国外からの輸入、それも石油に大きく依存しています。これは、世界のエネルギー情勢や石油生産国の政治状況に大きな影響を受けやすく、依存度が高い状態です。純国産エネルギーである再生可能エネルギー由来の電力(ゼロミッション電源)を使ってEVを動かすことができれば、現在のエネルギー自給率、石油依存度の問題が軽減されるでしょう。

電源構成におけるゼロエミッション比率とEV化がもたらすCO2排出量へのインパクト 経済産業省 資源エネルギー庁 研究会配布資料より電源構成におけるゼロエミッション比率とEV化がもたらすCO2排出量へのインパクト
経済産業省 資源エネルギー庁 研究会配布資料より


2.EVを取り巻く次世代の電力

電気を動力源として使う自動車を総称して「電動車」と呼びますが、ガソリン車から電動車へ「電動化」するといってもさまざまな手法が存在します。動力源の100%が電気であるEV(電気自動車)のほかにも、ガソリンと電気の両方を使うHV・HEV(ハイブリッド自動車)やPHV・PHEV(プラグイン・ハイブリッド自動車)、水素を使って電気を発生させるFCV・FCEV(燃料電池自動車)があり、これらの電動車には、それぞれ長所と短所があります。

EV(電気自動車)は、次世代の電力網を構成する要素のひとつとしても重要です。鍵となるのは、EVに搭載されている「蓄電池」です。「蓄電池」は、余った電力を蓄積して電力不足の際、災害時の非常用電力として利用できるほか、需要家(電気の供給を受けて使用している側)が柔軟にコントロールして電力の需要ひっ迫中の供給量をバランスするDR(ディマンドリスポンス)や、分散型エネルギーリソースをまとめて仮想的に発電所をつくるVPP(バーチャルパワープラント)に活用できる設備です。

EVに搭載されている蓄電池を電力システムに利用することが期待されており、実際にEVによるDRの実験を、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、アメリカ・ハワイ州マウイ郡でおこなっています。

2011年から2017年2月までおこなわれたこのプロジェクトでは、200世帯以上のEV利用者が参加。EVの充電開始時刻を遠隔操作により集中制御して、電力ピーク時間帯と重なってしまう19~20時頃から22~23時頃にシフトさせるDRに成功しています。


3.EV開発と普及への支援

もともと日本の自動車メーカーでは世界初の量産EVを発売するなど、この分野を先導してきました。昨今では海外勢の急成長が目立っていたものの、大手自動車メーカーの販売した新型車が走行距離、価格ともに世界をリードするなど、各メーカーの次世代自動車開発を加速させ、普及目標を実現するため、開発から購入、インフラ構築までを支援し促進する政策を進めています。

EV普及の課題であるコスト面については、EVを含む環境性能に優れたクリーンエネルギー自動車の購入者を対象とした補助金を設けています。(クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金)
また事業者側に向けても、走行距離を延ばす一因となる蓄電池技術の研究開発、充電スタンドなどのインフラ整備への設置費補助などの政策を進めています。

EVは、温暖化対策に寄与する一因であるだけでなく、私たちを取り巻くエネルギーのあり方、システム構造などにさまざまな影響をもたらす可能性があります。今後も、日本が自動車のEV化を先進的な技術で牽引し続けることを目指し、経済産業省では多様な支援策を実施していくとのことです。