株式会社トノックス|神奈川県の特装車工場

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CASEがもたらす車両用部品への影響 ② | 特殊車両ならトノックス

1.クルマの概念を大きく変える「CASE」

CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語です。2016年のパリモーターショーにおいて、ダイムラーAG(株式会社 英:Akiten Gesellschaftの略)・CEOでメルセデス・ベンツの会長を務めるディエター・チェッチェ氏が発表した中長期戦略の中で用いたのが始まりです。

「CASE」は、クルマの概念を大きく変える自動車業界の新たな潮流であり、新たなユーザーのニーズに答えるために技術開発を進めるべく、EV(電動自動車 英:Electric Vehicle)の普及や、自動運転の導入などに伴う自動車のデジタル化への取組みが加速しています。


2.車載モータ市場の変化

モーターもエンジンも車の動力である点は変わりませんが、ここでいう車載モータとは、スタータやパワーシートモータ、電動ブレーキに用いられるモータなどから次世代自動車と呼ばれる電動車(EV 英:electric vehicleの略)、ストロングハイブリッド(HEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、電気自動車(BEV)、燃料電池車(FCV)などxEVと総称される電動車で用いられる主機モータまで、サイズや出力を問わず搭載されるモータを指します。

高まるEV(電動自動車 英:Electric Vehicle)の普及高まるEV(電動自動車 英:Electric Vehicle)の普及


2020年時点では世界自動車販売台数の大部分を占める内燃機関車(ICE)ですが、自動車の最大市場である中国や欧州などで、バッテリー式電気自動車(BEV)へのシフトが急速に進んでいるため、シェアを急速に落としていくことが予想されています。

各国政府やOEM(他社ブランドの製品を製造する企業 英:original equipment manufacturer)が自動車の電動化に関わる目標を示しており、中国では2035年に新車販売の50%をバッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、残りはハイブリッド自動車(HEV)という目標を示し、欧州でも2035年に内燃機関搭載車の新車販売を禁止にする方針を発表しています。

また、日系OEMも2030年までにバッテリー式電気自動車(BEV)販売台数の明確な台数目標を示しており、バッテリー式電気自動車(BEV)を中心にxEVの普及は急速に進むとみられています。
一方で、「バッテリー価格低減の限界」「電磁鋼板などの部品不足」「各国政府のインセンティブ縮小」など、xEV普及における課題も出てきており、2030年時点までに目標に達しないという見方もあります。

さらに、コロナ禍の影響による半導体不足などから、OEM各社は2022年以降も減産を強いられており、世界自動車販売台数がコロナ禍以前の水準まで回復するのに2~3年かかる見通しです。

3.DXの推進による影響

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進はあらゆる企業にとって、変化の激しい時代のなかで市場における競争優位性を維持し続けるための重要なテーマです。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いて、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出、レガシーシステムからの脱却や企業風土の変革を実現させる動きです。

日本国内の物流の根幹を担うトラック運送事業では、ドライバーの人手不足や積載効率の低下などの課題に直面し、業務のデジタル化実現による効率化が求められています。運送事者は異なる荷主の様々な貨物をそれぞれ輸送するため、ワンサイズ・フィッツ・オール(一つでどんな場面にも通用する)システム化が困難であるのに加え、小規模事業者が大半を占めることから、これまでデジタル化が遅れていました。一方、バス・タクシー事業者は乗客を輸送するという点において共通しており、システム化の余地がまだまだあると言えます。

また、労働基準法の改正によって、より複雑化する労務管理の環境下で、日々の運行記録やドライバーの乗務記録の重要性がさらに高まる見込みです。ドライバーの勤務体系には、労働時間や拘束時間、休憩時間、休息期間など複数の概念が混在し、まだまだグレーな部分も多く、従来36(さぶろく)協定によって形骸化されていた労働時間に対する規制が厳格化されることもあり、デジタルタコグラフ(通称:デジタコ)が労務管理に不可欠なツールとなる可能性もあります。

4.テレマティクス市場の変化

商用車のテレマティクス市場規模は、2030年ごろまでには毎年2割ほどの成長率が見込めるとされています。

交通事故件数の増加を抑止する目的と物流・輸送業界の急速な発展が、商用車テレマティクス市場の成長を加速させると予想されます。

従来の車載機能との連携で、より高度な管理が可能となります。

デジタルタコグラフ(通称:デジタコ)

自動車運転時の速度・走行時間・走行距離などの情報をメモリーカード等に記録するデジタル式の運行記録計のことです。

ドライブレコーダー(通称:ドラレコ)

映像や音声を自動的に記録してくれる車載カメラのことです。

テレマティクス(telematics)

テレマティクス(telematics)とは、Telecommunication(通信)とInformatics(情報科学)を組み合わせた造語で、車両または車載機器に通信システムを搭載することで双方向受信を可能にし、いつでもリアルタイムで走行データや運転状況などの必要な情報を確認・管理ができるシステムです。