ギリシア神話の名前がついたクラシックカー「日産シルビア」 | 特殊車両ならトノックス
1.トノックスとシルビア
しばしばゲームや小説、映画、絵画などの元ネタとなる「ギリシャ神話」ですが、車の名称にも、神話に登場する神々や英雄の名前がしばしば採用されているのをご存知でしょうか?
トノックスでも、ギリシャ神話の名前が付いた車の製造に関わった歴史があります。それは、「日産シルビア」です。
トノックスは昭和23年横浜市にて創業当初、⽇産⾃動⾞(株)の委託を受け、全網製⾞体を試作・完成、昭和25年には⽇産⾃動⾞(株)の協⼒⼯場として⾃動⾞⾞体を製作開始し、昭和38年より初代⽇産シルビアの⽣産に携わっております。
今回は、その名前の由来とともに、当社にとって思い⼊れが深い「⽇産シルビア」の⾊褪せない魅⼒と秘密について迫りたいと思います。
2.初代日産シルビアとその由来
昭和39 年(1964年)の第11回東京モーターショーにダットサン・クーペ1500として出品されたのが、初代⽇産シルビアです。
その美しい名前は、ラテン語で「森」を意味し、ギリシャ神話に登場する清楚な⼄⼥に由来します。
その個性的で美しいスタイリングは二ューヨーク在住のドイツ人デザイナー、アルブレヒト・ゲルツ氏の意見を取り入れて完成しました。初代は1968年6月に生産を停止しましたが、長いブランクののち2代目が75年10月に復活しました。
この名前の由来となった「シルヴィア」はバレエ作品としても有名です。純粋な羊飼い青年アミンタと、狩の女神シルヴィアの恋物語なのですが、神と人間の禁断の恋を描いたものとなっています。
▼初代シルビアについてはこちらの記事でも触れていますので、ぜひ参照ください。
日産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密〜①
日産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密〜②
日産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密〜③
日産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密〜④
3.神話の「シルヴィア」とは
バレエ作品「シルヴィア」はギリシャ神話に基づいていますので、今回は、その名作を参考にしながら神話の内容をご紹介したいと思います。
〜「シルヴィア(原題:『シルヴィア、またはディアヌのニンフ(Sylvia, ou La nymphe de Diane)』)」あらすじ〜
狩りと貞節を司るギリシャの女神ディアナに使えるシルヴィアを偶然見かけてしまった羊飼いのアミンタは、その穢れなき美しさに一目で恋に落ちます。ところが、ディアナが貞操を司る神であるため、シルヴィアは恋を知らず、自分に向けられたアミンタの思いに気づかず払いのけてしまいます。そして、彼女はあろうことか、恋を司る神エロスを嘲り、彼女に矢を射ってしまいます。その時、隠れていたアミンタは、エロスを庇いシルヴィアの放った矢に倒れます。一命をとりとめたエロスは、今度シルヴィアを射ますが、シルヴィアはものともせずに立ち去りました。
しかしこの時、シルヴィアの胸にはアミンタを憐れむ気持ちが生まれ、初めてアミンタに心を奪われてしまいます。
そんな彼女の隙をついて、ひと騒動を見ていた悪い狩人のオリオンはシルヴィアを連れ去ってしまいました。
一方、エロスは自身の力でアミンタをよみがえらせます。
オリオンの島の隠れ家に連れ去られたシルヴィアは、オリオンに酒や宝石で誘惑されますが、彼女はもはやアミンタのことを嘆き悲しむ思いしか胸にない様子。
自分を連れ去り閉じ込めているオリオンを酔わせ、エロスに助けを求めました。
彼女の祈りに応えてエロスはすぐに現れ、アミンタがディアナの神殿で彼女を待ちわびていることを教えます。シルヴィアはアミンタを見つけるために、エロスとともにディアナの神殿に辿り着きます。ディアナの神殿ではバッカス祭りがおこなわれていました。
アミンタと再会の瞬間、そして歓喜の後、シルヴィアを探すオリオンが現れますが、オリオンとアミンタが決闘し、その決闘のさなかにディアナの逆鱗に触れたオリオンはディアナに打ちのめされました。怒れるディアナは続いてアミンタとシルヴィアの交際を許さないことを断言します。
エロスはディアナにかつての恋人エンデュミオンのことを思い出させ、ディアナに考えを変えさせました。
結果として人間であるアミンタと神に仕えるシルヴィアは、めでたく結ばれます。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ギリシア神話の名前がついたクラシックカー「日産シルビア」についてご紹介しました。
「シルビア」の名前の元となった神話には、「人間と神の恋、禁断の恋の成就」という奇跡的でロマンチックなエピソードがありました。「シルビア」には、その奇跡にあやかる想いが込められているのかもしれませんね。
トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績があり、企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。
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