株式会社トノックス|神奈川県の特装車工場

  • 会社概要
  • お問合せ
  • 特殊車両
  • 塗装
  • レーザー計測
  • レストア

⽇産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密④〜 | 特殊⾞両・レストアならトノックス

トノックスは昭和23年横浜市にて創業当初、日産自動車(株)の委託を受け全網製車体を試作・完成、昭和25年には日産自動車(株)の協力工場として自動車車体を製作開始いたしました。昭和38年より初代日産シルビアの生産に携わっております。
当社にとって思い入れの深い「日産シルビア」の色褪せない魅力と秘密について迫りたいと思います。

▼関連記事
日産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密①〜
日産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密②〜
日産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密③〜

初代日産シルビア(トノックス工場にて)初代日産シルビア(トノックス工場にて)


1.歴代シルビアの変遷とその姿

トノックスが生産に携わった初代シルビアから爆発的なヒットとなり「デートカー」の代名詞として語られることとなった5代目シルビアまで過去3回にわたってご紹介してきました。
今回は平成5年(1993年)10月発売、大型化したボディサイズが不振となった6代目シルビア、平成11年(1999年)1月に発売され平成14年に生産が終了、最後の代となった7代目シルビアについて触れていきます。

2.6代目S14型(平成5年–平成10年)

6代目日産・シルビアS14 前期型6代目日産・シルビアS14 前期型( Wikipedia より)


平成5年(1993年)10月発売された6代目シルビアは、プラットフォームは先代の流用でしたが、ボディサイズは拡大され全車3ナンバーとなりました。
スペシャルティ市場がRV等に押されていた時期と重なったことと、ボディが大型化されたこと等により軽快感が失われたこともあり、若者の⼈気を得られず販売台数が減少、中古車の人気も当初は低迷しており、S13型の中古車価格が高騰した時期がありました。

エンジンは自然吸気、ターボ共に改良され、SR20DE型は160PS、SR20DET型は220PSにパワーアップし、先代の自然吸気はレギュラーガソリン仕様だったが、ハイオク仕様に変更されました。。

6代目日産・シルビアS14後期型6代目日産・シルビアS14後期型6代目日産・シルビアS14後期型( Wikipedia より)



平成8年(1996年)6月、後期型へマイナーチェンジをおこない、曲線の多かった前期型からヘッドランプを⾓ばった、いわゆる「ツリ目」の形状にするなど、主にフロント周りのデザインを⼀新、全体的にシャープなデザインの外観に変更しました。
愛好者からは前期型を「たれ目」、後期型を「吊り目」と区別されています。

前期型と同様、S13型とくらべて大型化したボディサイズに対する先入観が尾を引き、一般市場では不評のまま終わったようです。
それでも、シャープな印象の後期型は前期型にくらべれば人気が高く、中古車価格も比較的高いようですが、前期型の柔和なスタイルを好むファンもいるようです。

平成10年(1998 年)に生産終了となりました。

3.7代目S15型(平成11年〜平成14年)

7代目 日産・シルビアS15型 オーテックバージョン7代目 日産・シルビアS15型 オーテックバージョン( Wikipedia より)


平成11年(1999年)1月発売開始された7代目シルビアの最大のトピックは、S14型で拡大されて不評だったボディサイズを、再び5ナンバー枠に戻し⼩型化したことでした。
また、S15型では左ハンドル仕様が開発されなかったため、欧州向けや北米向けには輸出されず、オーストラリアとニュージーランド向けが少数輸出された他、中古車がイギリスに渡っています。

スタイル上の最⼤の特徴は、サイド面のプレスラインがリアフェンダー、リアトランクにかけて徐々に絞り込まれる「深絞りプレス成型」を採用したリアフェンダーであることです。ヘッドライトはボンネットに回り込んだ「吊り目」デザイン、テールランプもトランクに回り込んだ⼤型のものが採用されました。

7代目 日産・シルビアS15型 ヴァリエッタ7代目 日産・シルビアS15型 ヴァリエッタ( Wikipedia より)


平成14年(2002年)1月24日に最終特別限定車「Vパッケージ」を発売開始。

専用フロントシート・ドアトリム生地、MD・CD⼀体型電⼦チューナーラジオ、プライバシーガラス、キセノンヘッドランプなどを標準装備しつつ、価格を従来と据え置きで販売するスペシャルエディションでした。
同年8月、折からのスポーツカー販売不振や、平成12年の排ガス規制の影響を受け生産終了となりました。

これによりシルビアは1975年の復活から27年(初代と2代目の間に挟まれた中断期間を⼊れて37年)の歴史に幕を閉じました。

販売台数は43,097台、販売期間は僅か3年7ヵ月と歴代モデルでは最も短いものの、派手なデザインと高い走行性能ゆえに、現在も愛好家が多いことで知られているモデルです。

4.シルビアの現在

歴代シルビアのなかでも、最も販売台数が多いのがS13型ですが、昭和63年(1988年)から平成5 年(1993年)にかけて発売されたこのモデルは、デートカーとして20代から30代の若者たちを中心に爆発的人気となりましたが、ターボエンジンでFR(フロントエンジン・リアドライブ⽅式の略)レイアウトといったパッケージは、スポーツ走行にも適していたため、アフターパーツメーカーによってさまざまなチューニングパーツが開発され、走り屋と呼ばれる層にも⼈気の⾞種となっていきました。

S13型の後継モデルとして平成5年(1993年)に販売開始されたS14型は、ボディが5ナンバーから3ナンバーへとサイズ変更されたものの、FRレイアウト&ターボエンジン搭載に変更はなく、このモデル以降もアフターパーツメーカーによるパーツ開発は継続されていました。

S13型が中古車市場に出まわるようになると、多くの⾛り屋たちは中古のS13型をベース車としてチューニングしてスポーツ走行をするようになり、新型が販売されると⼀代前の型のチューニングが流行るといった流れができあがりました。

中古のS13型やS14型をベースとすることで、豊富なパーツからチューニングができることと、ベースが安価に入手できることなどから、現在でも根強い⼈気が続いています。



▼関連記事
日産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密⑤〜