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⽇産シルビア 〜その歴史と⼈気の秘密〜⑤ | 特殊⾞両・レストアならトノックス

トノックスは昭和23年横浜市にて創業当初、日産自動車(株)の委託を受け全網製車体を試作・完成、昭和25年には日産自動車(株)の協力工場として自動車車体を製作開始いたしました。昭和38年より初代日産シルビアの生産に携わっております。
当社にとって思い入れの深い「日産シルビア」の色褪せない魅力と秘密について迫りたいと思います。

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トノックス工場でのレストアのようすトノックス工場でのレストアのようす


1.競技の世界での活躍

1988年 サファリラリー仕様車1988年 サファリラリー仕様車( Wikipedia より)


スポーツ走行に向いた車体で、走り屋に人気となったS13型、S14型、S15型シルビアは、競技の世界でもさまざまな活躍をしています。
スーパーGT(※1)の前身であるJGTCには、歴代シルビアをベースとしたレーシングカーが出場していた実績があります。また、もっとも多くのシルビアが活躍したのはドリフト競技(※2)の世界です。

シルビアは、車高調整とLSD(※2)を組めばすぐにでもドリフトすることができるほどの素性の良さがあり、いまでもミニサーキットなどで実施されているドリフト系走行会では、じつに8割以上がシルビアということがあるほどです。

※1…高性能な乗用車であるGTカーをベースにしたレーシングカーで行われる自動車レース。2004年まで全日本GT選⼿権(JGTC)として開催されていましたが、2005年からFIA公認の国際シリーズとなりました。日本のレースシリーズ戦では破格の人気を誇り、国内外から注目されています。

GT(グランツーリスモ)カーは本来、長距離ドライブに適う高いパフォーマンス及び高いラグジュアリー性を有する車種という意味でしたが、過去ヨーロッパでの自動車レースにおいて過激な性能競争を避けるため、参加車両規定を当初のレース専用車両から⼀般の箱型高性能ロードカーベースへ変更することが多く行われた経緯により、現在はGT=レースにも参加する高性能車種もしくはすぐれた走行性能を持つロードカーという新しい意味が、自動車メーカーの販売政策・宣伝共にマッチし定着しています。

ポルシェによるドリフト走行ポルシェによるドリフト走行( Wikipedia より)


※2…ドリフト競技とは、ドリフト走行(drifting)自動車や⼆輪車における走行方法のひとつであり、タイヤを横滑りさせながら走行させるテクニックを競い合う競技のことです。「ドリフト」とは英単語の”drift”(漂う)を語源としています。

スポーツとしてのドリフト走行の最⼤の特徴は、他のモータースポーツが原則として全て「⼀定のコースをいかに速く走るかを競う」のに対し、「速さもさることながら、ドリフト走行中の姿勢など美しさを総合的に競う」採点競技である点にありま
す。そのため競技者の優劣の判断は審判による判定により行われるのが⼀般的であり(D1GPなど⼀部機械式の採点を導⼊しているシリーズもある)その意味で他のモータースポーツをスピードスケートに例えた場合のフィギュアスケートになぞらえられることも。

スポーツとしてのドリフト走行が確立してまだ日が浅く、審判の採点基準はシリーズによって大きく異なっているようです。


※3…LSDとはリミテッド・スリップ・デフの略で、差動を条件に応じた制限を持たせたもの。デフロックと同じく駆動輪に空転が発生すると路面に駆動力が伝わらなくなってしまうデフギアの欠点を防ぐものです。デフの差動を止めてしまうデフロックでは旋回性能が低下するため、必要な時にのみ差動を制限するよう考案されました。

差動制限の方式により、大きく分けて「トルク感応式」「回転感応式」「アクティブ制御式」の3種類に分類されます。


2.ドリフト競技での快挙

ドリフト競技の最高峰ともいわれているD1グランプリシリーズでは、19年の歴史のなかで8回、兄弟車種の180SXも含めると10回もシルビア系の車種がチャンピオンを獲得しています。

シルビアの兄弟車種 日産・180SXタイプX(後期型)6代目 日産・シルビアS14後期型( Wikipedia より)


中でもD1ライツシリーズで活躍する岩崎沙織里選手のS13 型シルビアは、180SXのフェイスに交換した外装となっています。
この外装は日産自動車製の乗用車シルビアのフロント構成部を、同じく日産自動車製の乗用車である180SXのフロント構成部品に交換したものですが、この改造モデルは、異なる車種でありながら、それぞれの構成パーツにおいて互換性が高く、流用が容易に行えるのが特長です。この特徴をうまく利用したのが通称「ワンビア」と呼ばれる仕様で、⼀部の愛好家に人気のようです。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか︖

以上5回にわたって、初代から7代目までの歴代モデル及び、現在もなお形を変えてスポーツ走行やドリフト競技の世界で愛され続ける「日産シルビア」の歴史と変遷をご紹介いたしました。

背景にある様々な若者⽂化と時代の移り変わり、デザイン性能の試行錯誤、隠れたストーリーや活躍の様⼦までも浮かび上がってきたように感じます。

トノックスでは、クラシックカーのレストアを行っております。トノックスの前身である㈱殿内製作所では日産自動車の試作及び量産メーカーとしてCSP311初代シルビアを担当しました。
当時の技術と歴史を受け継いだメカニックが、お客様のご要望に応じた形でクラシックカーの美しい姿を蘇らせます。

レストアにつきましては、お車の車種、状態、復元の度合い、交換部品供給の有無などにより、費用も⼤きく変わります。
先ずはお気軽にご相談下さい。

トノックスではレストアを承っておりますトノックスではレストアを承っております