株式会社トノックス|神奈川県の特装車工場

  • 会社概要
  • お問合せ
  • 特殊車両
  • 塗装
  • レーザー計測
  • レストア

車両塗装の種類とトノックスの塗装技術 | 特殊車両ならトノックス

株式会社トノックスの工場では大規模な塗装設備を有しており、各車メーカーの塗装と同じ仕上がりを実現できるほか、その品質と耐久性で知られています。

今回は、これまで何度かご説明したこともある塗装技術の種類やその特徴について、改めてご紹介したいと思います。

従来よく行われていたエアスプレー方式の塗装従来よく行われていたエアスプレー方式の塗装


1.自動車メーカーで採用されている塗装方法

一般的な塗料には水性塗料や溶剤塗料、粉体塗料などがありますが、トノックスが使用する塗料の種類には、これらの基本的な塗料のみならず、特殊な環境での使用に耐える高機能塗料も含まれています。

トノックスでは各自動車メーカーと同じ塗装技術を使用することで、市場で販売されている車両と同等の仕上がりを実現しています。

自動車メーカーによっては、独自の技術や工夫を凝らした塗装方法を取り入れ、それぞれのブランドごとに微細な違いや特徴がありますが、自動車メーカーが一般に採用している塗装方法には以下のようなものがあります。

1.電着塗装(下塗り塗装)

電着塗装は、自動車のボディを電解液に浸し、電気を流して塗料を密着させる手法です。耐食性が非常に高く、ボディの隅々まで均一に塗装することができるので、プライマー層(下塗り)として広く用いられています。

2.中塗り塗装

中塗り塗装とは、電着塗装の上から施すもので、色の均一性を高めると同時に、塗膜の厚みを増して耐久性を高める役割もあります。顔料が含まれていることが多く、紫外線や外部のダメージから保護する効果もあります。

3.上塗り塗装

車の最終的な色と艶を決めるのがこの上塗り塗装です。多くの場合、複数の色層を重ねて、深みのある色合いや光沢のある仕上がりを実現します。

4.クリア塗装(透明塗装)

最後に施されるのがクリア塗装で、色層を保護し艶や質感を追加する役割を果たします。クリア塗装によって、塗装面の耐候性が向上し、長期間にわたり美観を保つことができます。

これらの塗装工程は、塗装ブースで行われ、各層を塗るたびに乾燻することで塗膜の強度を高めています。また、世界的な傾向として、現代の自動車製造では、省エネルギー、塗料の有効利用、環境配慮のため、水性塗料の使用が進んでいます。

しかし、日本における水性塗料の使用は、VOC削減目標はあるものの規制はなく、導入も進んでいないのが実態のようです。


2.電着塗装の設備とその特徴

トノックスでは、主に、電着塗装・スプレー塗装・樹脂塗装などの塗装設備があります。
塗装について

特に、電着塗装は、車体・ボディ・パーツに利用でき、防錆効果もある優れた塗装方法です。一般に、工業製品に塗料を均一かつ効率的に塗布するための方法の一つとして広く利用されています。電着塗装の設備では、塗料粒子を電気の力を使って被塗装物に付着させる電気化学的なプロセスを利用します。

主要な設備としては、まず塗料を入れる塗装槽があります。塗装槽には、水性の電着塗料が充填され、被塗装物を吊るしたり固定したりするための機構が設置されています。電源としての直流電源が必須ですが、これは塗料粒子への電荷を供給し、被塗装物に対して反対の電荷を持つ基板(陰極または陽極)へ引き寄せるために使用されます。

さらに、電着塗装設備には、塗料槽の塗料を循環・ろ過するシステムが備わっており、使用されていない塗料を再利用してコスト削減と環境保護に貢献しています。また、塗料の温度、pH、導電率などを管理するための制御システムも非常に重要です。

電着塗装の特徴としては、以下のような利点が挙げられます。

1.均一な塗膜

電着塗装は、複雑な形状の部品や、隙間が狭い部分にも均一な厚さで塗膜を形成できます。

2.塗装効率の向上

電着塗装はオーバースプレーが少なく、塗料の使用効率が非常に高いです。これにより材料費の削渡と環境影響の軽減が期待できます。

3.長寿命

電着塗装で形成された塗膜は、密着性が高く、耐食性に優れているため、製品の耐用年数を延ばす効果があります。

4.環境への配慮

電着塗装は水性塗料を使用し、揮発性有機化合物(VOC)の排出が少ないため、環境に優しい塗装方法です。カチオン塗装では、高分子のエポキシ樹脂で、アミノ基導入により塗膜がアルカリ性のため、耐食性に優れています。

このような理由で、電着塗装は自動車業界はじめ、多くの製造業で頻繁に採用されています。特に、プライマー塗装や最終仕上げ塗装においてその利点を発揮し、製品品質の向上と生産コストの削減に寄与しています。


3.ナノクリアー塗装やその他設備

トノックスでは、樹脂塗料を使用した電着塗装のほか、特殊な塗料を用いた高性能塗装「ナノクリアー塗装」を取り扱っています。

「ナノクリアー塗装」は、ナノテクノロジーを応用した塗装技術で、ナノスケール(1ナノメートルは10億分の1メートル)の微細な粒子を塗料に配合し、塗装する表面に特殊な機能を持たせることが可能になります。

特徴としては以下の点が挙げられます。

耐候性の向上…ナノ粒子が紫外線などの外部環境から保護し、塗膜の色あせや劣化を抑制します。

自己清浄機能…水に強い撥水性を持たせることで、雨が汚れを洗い流しやすくなる「ロータス効果」と呼ばれる自己清浄作用があります。

耐摩擦性の向上…微細なナノ粒子により、塗膜表面が硬化し、キズがつきにくくなります。

光沢の高い持続性…ナノレベルでの平滑な表面が維持されるため、塗装面の光沢が長期間持続します。

「ナノクリアー塗装」は自動車のボディをキズから保護するとともに、耐スリ傷用に強く優美な肌とツヤが得られるカスタムペイントです。塗膜が持つこれらの特化した機能は、一般的な塗装にはない付加価値を提供し、製品の価値を高めるでしょう。

そのほか、トノックスでは、大型車両専用塗装リフターの設備を有しており、バスやトラックなどの大型車両(幅3,000mm × 長さ10,000mmまで)にも対応が可能です。これにより塗装前処理の作業がより精密に効率的に行えるようになったほか、納期短縮と高品質な仕上がりを実現しています。