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2020年4月施行の改正道路運送車両法について | 特殊車両ならトノックス

2020年4月に施行された「改正道路運送車両法」では、自動運転車の実用化に向けた法的枠組みの整備が行われました。この改正により、レベル3の自動運転技術を搭載した車両の公道での運行が可能となるため、関連する安全基準が設けられました。

今回の記事では、この「改正道路運送車両法」について、以前の記事をおさらいしつつご説明したいと思います。

▼自動運転システムのレベル区分と「改正道路運送車両法」についての過去記事
https://tonox.jp/20231125/blog220/


自動運転レベル3は、国際基準「SAE International(米国自動車技術者協会)」によって定められている自動運転レベル3は、国際基準「SAE International(米国自動車技術者協会)」によって定められている


1.改正道路運送車両法の概要

2020年4月に施行された「改正道路運送車両法」では、自動運転車の実用化に向けた法的枠組みの整備が行われました。この改正により、レベル3の自動運転技術を搭載した車両の公道での運行が可能となるため、その運行に関連する安全基準が新たに設けられました。

レベル3の自動運転とは、特定の条件下でドライバーが運転をしなくても良い段階を指し、システムによる完全自動運転が行われますが、緊急時などにはドライバーが運転操作を行う必要があります。そのため、ドライバーへの運転操作の引き継ぎが安全に行えるような規制が盛り込まれています。

具体的には、自動運転システムに対する技術基準の策定、自動運転の際にドライバーが適切に監視できるような機能の義務化、自動運転車の安全性を確認するための認証手続きの確立などです。

さらに、自動運転車の市場導入に当たっては、事故発生時の責任の所在やデータの取り扱い、保陼制度の整備など、運用面での課題も多数指摘されています。
この法改正により、自動運転車の技術開発と普及に大きな一歩が踏み出されたといえるでしょう。


2.改正道路運送車両法の内容

2020年4月に施行された「改正道路運送車両法」の内容は、自動運転車両に関する法的基盤を整えることで、自動運転システムの社会実装を目指したものです。この法律の改正は、自動運転技術の普及と実現に向けて、重要なステップと見なされています。
改正の重点は、自動運転技術に対応した車両の安全基準を設けることであり、その中でも特にレベル3の自動運転車両が対象となりました。この改正法で導入された具体的な内容は以下の通りです。

  • ①自動運転システムの設計や性能に関する新たな安全基準の確立。
  • ②運転者が運転に介入する必要がある場合、システムから運転者に対して適時に通知が行われるように規制。
  • ③故障や事故など緊急時にシステムが適切に対応することを義務付ける安全要件の設定。
  • ④自動運転車両の型式認可手続きの明確化。

また、自動運転車両に関するルール整備は、システムのみならず、その運用に関する規範も含めたものとされています。例えば、自動運転時には運転者は車内にいるが、手放し運転が可能な状況も考慮しています。さらに、道路交通法など他の関連法令との整合性も図られることになります。
この改正により、自動運転車における安全性の確保とともに、実用化に向けた法的な障壁が部分的に取り除かれることになったため、より技術開発を促進し、自動運転の社会実装への道を明確にしました。


3.「自動運行装置」の定義とは?

「改正道路運送車両法」において定義された「自動運行装置」とは、運転者の操作を必要とせずに自動的に車両を運行することができるシステムや装置を指します。この装置は、正常な走行に必要な機能を自動的に実行する能力を有しており、加速、減速、方向転換などの運転操作を自動で行うことができます。

「自動運行装置」が搭載された車両は、特定の条件下かつドライバーの監視のもとで、完全に自動化された運行が可能になります。ただし、異常や緊急状況が生じた場合には、運転者が直ちに運転操作を引き継ぐ必要があるため、システムからの運行状況のフィードバックや引き継ぎの指示が正確かつ迅速に行われることが法的に規定されています。

これにより、新しい自動運転車両の安全基準の確立とともに、レベル3以上の自動運転技術が搭載された車両の実用化が進むことが期待されます。また、将来的にはさらに高度な自動運転技術が普及するための法的基盤を整える役割も担っています。


4.自動運転レベル3の範囲とは?

自動運転レベル3は、国際基準である「SAE International(米国自動車技術者協会)」によって定められた自動運転のレベルのひとつで、一般的に「条件付き自動化」と呼ばれます。このレベルでは、車両が特定の条件または環境下で自動運転を行い、ドライバーは運転から解放されることが特徴です。
具体的にレベル3の自動運転車両でできることは、以下のようなことです。

  • ●車両が道路の状況や交通の流れを理解し、自動で加速、減速およびステアリングを行います。
  • ●ハイウェイや特定の道路条件での長距離運転において、全ての運転操作を自動システムが担い、ドライバーはそれらの操作を行う必要がありません。
  • ●システムはドライバーに介入する必要がない限り、安全に自動運転を維持しますが、状況によりシステムがドライバーにコントロールを戻すよう要求する場合があります。
  • ●ドライバーは運転操作に介入する必要がある際には迅速に反応し、コントロールを取り戻す責任があります。

レベル3の自動運転では、ドライバーは運転に対する注意を放棄できますが、システムが対応できない状況になった際には、運転者が迅速に運転に取り組む準備が求められます。したがって、レベル3ではシステムが主体となる自動運転を実現していますが、完全な自動運転(レベル5)には至らず、運転者の介入が必要な場面が残っています。