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2023年版、自動運転業界のいま① | 特殊車両ならトノックス

1.自動運転はどこまで進んでいる?

日々成長を続ける自動運転業界ですが、コロナ禍においてその実情はさほど公にされていないようにも見えます。

日本では、ホンダが自動運転レベル3の市販車を発売開始し、メルセデスもレベル3の自動運転車提供をスタートさせました。アメリカや中国では、すでに自動運転タクシーが街中を走行し始めています。現段階では、安全管理のためドライバーが同乗して運用されている車両が多いですが、中には「完全無人」の自動運転タクシーも登場しています。
こうした状況の中、日本、さらには世界における自動運転技術がどこまで進んでいるのかを、2023年1月時点の情報をもとに簡単にご紹介したいと思います。


2.「自動運転レベル」とは?

自動運転レベルとは、米国自動車技術者協会(SAE)や国土交通省がレベル0~レベル5までの6段階に区分して定めているものです。手動運転に相当するのが「0」で、それを抜かせば、1から5に進むに従って運転支援・自動運転の程度が上がっていきます。

下記はSAEの基準を日本語に訳したものです。

自動運転レベル1:運転支援
自動運転レベル2:部分運転自動化
自動運転レベル3:条件付き運転自動化
自動運転レベル4:高度運転自動化
自動運転レベル5:完全運転自動化


3.実用化されているのは自動運転レベル3

現在、日本で実用化されているのは自動運転レベル3(条件付き運転自動化)までとなります。日本では、レベル3走行を可能とする改正道路交通法と改正道路運送車両がそれぞれ2020年4月に施行され、公道走行が可能となりました。

自動運転レベル3は、一定条件下において全ての運転操作をシステム側が行うことができますが、システムが作動継続困難と判断し、ドライバーに運転交代要求(テイクオーバーリクエスト/TOR)を発した際は、ドライバーは速やかに運転操作を行わなければなりません。これは、自動運転システムと手動運転が混在する自動運転の初歩の段階と言えるでしょう。

4.自動運転レベル3の特徴

自動運転レベル3の自動運転システムが作動している時、ドライバーは周囲の監視義務から免れることができ、ハンドルから手を離す「ハンズオフ運転」に加え、車両前方から目を離す「アイズオフ運転」も可能になります。

自動運転システムが作動可能なODD(運行設計領域)はシステムごとに異なっており、それぞれに設定されています。何らかの理由でシステムが作動継続困難と判断した場合、システムからドライバーに「テイクオーバーリクエスト」が発信され、ドライバーはこのリクエストに迅速に応答しなければなりません。そのため自動運転中であっても睡眠などの行為は厳禁です。

5.レベル3での自動運転中にドライバーに許される行為

自動運転中にドライバーに許容される行為「セカンダリアクティビティ」については、道路交通法上は“第71条第五号の五”に定められた携帯電話用装置などの利用を制限する条項を適用しないこととされています。

カーナビやスマートフォンなどの操作が認められる一方で、法的に明確に許容された「セカンダリアクティビティ」はこの範囲にとどまります。

実用化が始まったばかりのレベル3を運用する上で、「セカンダリアクティビティ」について明示せず、知見を積み重ねてから安全性を重視して一定の指針を明示するものと思われます。

読書や簡単な食事・仕事など、問題ないと思われる行為も違反となる可能性があるため、しばらくは注意が必要でしょう。

6.市販車では標準装備となったレベル1

自動運転レベル1(運転支援)は、すでに国内の市販車でスタンダード化されています。自動運転システムは、車両制御のうち「縦方向」または「横方向」いずれかのサブタスクを限定領域において実行します。つまり、アクセル・ブレーキ操作による「前後の制御(加速・減速)」、もしくはハンドル操作による「左右の制御」のどちらか一方の操作補助をシステムが担います。

代表的なものに、前走車に追従するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、衝突被害軽減ブレーキ、LKA(レーン・キープ・アシスト)などがあります。衝突被害軽減ブレーキは、軽トラックや輸入車など一部を除く新型車への搭載義務化が始まっており、ほぼ標準装備となっているのが現状です。

7.市販車における主力となった自動運転レベル2

自動運転レベル2(部分運転自動化)は、レベル1ではシステムが縦・横方向どちらか一方だったサブタスクを、限定領域において縦及び横方向両方を実行できます。例えば、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)で縦方向の制御を支援しつつ、LKA(レーン・キープ・アシスト)で横方向の制御も支援し、同一レーン上での走行を総合的に支援することが可能なのです。

この機能が進化すると、一定条件下で運転中にハンドルから手を離す「ハンズオフ運転」が可能になります。自動運転レベル2は、あくまで運転における負担を軽減することができる運転支援機能であり、自動車制御に関わる責任は依然ドライバーが担うものです。


8.自動運転レベル4ではドライバーレスを目指して

このように、現在、日本で実用化されているのは自動運転レベル3(条件付き運転自動化)までとなっており、完全自動運転に向けては、技術的・社会的・法律的な課題解決が必要なのが現状です。自動運転の実現により、交通事故防止・渋滞緩和・高齢者等の移動手段確保が期待されています。

次回、後編の『2023年版、自動運転業界のいま②』では、自動運転レベル4・5、さらには未来に実現するかもしれないレベル6について触れたいと思います。


9.まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「2023年版、自動運転業界のいま①」と題し、自動運転車にまつわる国内や世界の状況をご紹介いたしました。

トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績があり、企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。

当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。
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