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『V2H』とは?基礎知識と導入メリット | 特殊車両ならトノックス

近年、電気自動車(EV)の普及が進み、一般家庭での実用化もだいぶリアルなものとなってきています。そして、電気自動車(EV)の進化と共に、自動車の蓄電能力を有効活用する手段として「V2H」の注目度が高まってきています。
この記事では「『V2H』とは何か?」をはじめ、その仕組みや基礎知識、導入した際のメリットなどをわかりやすく解説します。

1.V2Hとは?

「V2H」とは「Vehicle to Home」の略称で、「クルマから家へ」という意味です。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーに貯めている電力を、自宅で使えるようにする機器のことを「V2H」といいます。

プラグインハイブリッド車(PHEV)とは、ガソリンエンジンとモーターを搭載したハイブリッド車に大容量のバッテリーを組みあわせた仕様であるため、充電が可能なうえ、モーターだけである程度の走行が可能です。 充電がなくなったらガソリンエンジンだけでも走行ができるハイブリット性能が特徴です。

また、「V2H」を導入すると、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を住宅用蓄電池として活用することができます。
通常、EV充電設備は家庭用の電力を電気自動車(EV)へと給電する機器のことで、電気自動車(EV)から電力を自宅に送り込むことはできませんでした。しかし、「V2H」は電気自動車(EV)の電力を自宅に給電できるようにすることで、災害時の備えや電気代の節約などを可能にしました。

近年の電気自動車(EV)は航続距離が500~600kmまで伸び、バッテリーの大容量化が進んでいます。この高機能なバッテーリーに蓄積した電力を、車両を使用しない間でも効率よく使えるように開発されたのが「V2H」なのです。


自宅の充電ステーションでバッテリーを充電するEV車自宅の充電ステーションでバッテリーを充電するEV車


2.V2Hシステムの特徴

「V2H」はEV充電設備の機能に加え、電気自動車(EV)を蓄電池として利用できる機能を備えているのが特徴です。住宅用蓄電池とEV充電設備がそれぞれ別になっていると、2つの機器が必要なうえ、設置工事の時間や管理、整備などの費用がかさみます。「V2H」であれば機器がひとつに統合され、導入・運用費が抑えられます。

「V2H」には太陽光蓄電池連系タイプと単機能タイプの2種類があり、太陽光蓄電池連系タイプには、家庭用太陽光発電と電気自動車(EV)の電力をより効率的に使うための制御機能があります。つまり、家庭での電力の使い方などの情報を記録し、電気自動車(EV)の充放電量や太陽光発電の電力の消費・売電・充電を自動的に最適化してくれるのです。

「V2H」システムとEV充電設備は、バッテリーの電力を家で使えるかどうかが大きな違いです。いずれも電気自動車(EV)の充電ができますが、EV充電設備は「V2H」のようにバッテリーの電力を家へ給電することができません。

また、「V2H」と住宅用蓄電池は、電気自動車(EV)に直接充電ができるかどうかが大きな違いです。どちらも貯めた電力を家でも使えますが、住宅用蓄電池は定置型のため、家庭内にしか電力は供給できません。しかし、電気自動車(EV)は移動先でも電気の使用が可能となっています。

「V2H」にはもうひとつ大きな特徴があります。それは、バッテリーの容量です。住宅用蓄電池は大容量モデルでも10kWh超程度ですが、「V2H」は20~70kWhと、圧倒的に多くの電力を貯蔵できます。


3.V2Hシステムを導入するメリット

「V2H」を導入することで、さまざまなメリットがあります。
「V2H」のメリットについて、次の3つが挙げられます。

1.災害·停電時のトラブル回避

「V2H」は、電気自動車(EV)を災害発生時の非常電源として活用することができます。日本は台風や地震などの自然災害が多く、停電のリスクも軽視できません。
また、近年は異常気象などによって、平常時でも電力逼迫がアナウンスされることがあります。電気自動車(EV)の車種や電力の使い方にもよりますが、電気自動車(EV)のバッテリーは住宅用蓄電池より大幅に大容量で、停電しても数日間電力を使用することができます。また、太陽光蓄電池連系タイプなら日中に太陽光によって発電した電力を貯められ、さらに盤石な備えとなります。

2.電気代の節約

「V2H」は、電気自動車(EV)を住宅用蓄電池として使えるため、夜間の安い深夜電力を充電し、昼間に使用できるので電気代の節約も可能です。また、太陽光蓄電池連系タイプの「V2H」は太陽光発電を組み合わせることで、日中に使い切れなかった太陽光発電の電力を電気自動車(EV)に充電したり、太陽光発電が発電できない時間帯や曇りや雨の日に電気自動車(EV)に貯めた電力を使ったりできるため、より効率よく電力をやりくりできます。
ここ数年、電気料金は値上がりを続けているため、一般家庭に「V2H」が手軽に導入できるようになると、環境や家計に優しい機器として注目されるでしょう。
このように「V2H」と太陽光発電の相性のよさを認識できれば電力を有効活用し、電力購入量を減らすことで電気代の節約につながります。

3.充電スピード

「V2H」は通常のEV充電設備の充電器より充電スピードが速く、短い充電時間で電気自動車(EV)を充電できます。「V2H」は出力6kW、200V普通充電器の2倍の出力があるので、充電時間がおよそ半分で済みます。普通充電器で16時間かかる充電が、V2Hなら約8時間で済むのです。


以上、「V2H」の基礎知識と導入メリットについてご紹介しました。
まだまだ、一般家庭への普及には時間がかかりそうな電気自動車(EV)と「V2H」ですが、国の「CEV補助金」などもあるようですので、将来的な導入を検討しつつ、早い段階から事前の情報収集を行なっていくと良いでしょう。