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日本の電動化は世界最高水準 | 特殊車両ならトノックス

いま自動車産業に起こっている変化の潮流は、「ツナガル化(Connectivity)」「自動化(Autonomous)」「利用シフト、サービス化(Shared&Service)」「電動化(Electric)」の4つを組み合わせた「CASE」という概念が主流です。この流れは、自動車を新しい姿へと変化させるにとどまらず、自動車産業の構造を大きく変えるイノベーションとなっています。

1.「電動化」による動力源への期待の高まり

自動車に起こっている劇的な変化のうち、エネルギー分野に大きく関わってくるのが、電力を動力源のすべてもしくは一部として利用する「電動化」です。さまざまなエネルギー問題の解決に役立つ可能性があることからも、大きな注目が集まり、世界中の国や企業が参入して開発競争が繰り広げられています。
自動車の電動化について、特に動力源の電動化への期待が高まっているのには次の理由があります。

●エネルギー安全保障上のさまざまな課題をはらむ石油への依存度を低減できる
●CO2の排出量を抑制することができるため、温暖化対策に役立つ
●搭載する蓄電池によって、次世代の電力網を構成する要素としても利用できる

蓄電池の技術が急速に進化したこと、「パリ協定」で示された「2℃目標に基づく脱炭素」を求める動きの高まりなどを受け、電気自動車の開発競争は激化しています。


「電動化」による動力源への期待の高まり「電動化」による動力源への期待の高まり


2.日本の電動化は世界最高水準

自動車における動力源の電動化といっても、完全に電気のみで走る車やほかの動力源と組み合わせて走る車など、動力源の種類や電気の供給方法などによって、「電動化」の多様であることに注意する必要があります。

BEV(Battery Electric Vehicle)

ガソリンを使わず電気のみを使って走る車で、エンジンがないのが特徴です。 バッテリーに充電した電力でモータを動かして走行します。ガソリン車と違い、走行中に二酸化炭素を排出しないため、環境に優しいエコカーとして世界的に普及が進んでいます。これまで「電気自動車(EV)」と呼ばれていたものは一般的にこれを指し、バッテリーに充電スタンドや自宅に設置したコンセントなどから充電します。

HEV(Hybrid Electric Vehicle)

2つ以上の動力源を持つ「ハイブリッドカー(HV)」のうち、走行状況に応じて動力源を同時または個々に作動させ走行する自動車のことで、2つの動力源をバッテリーから得られる電気とガソリン(もしくはディーゼル)で走るものです。車内部のガソリンエンジンが発電機を動かすことで電気を得ます。一般に、内燃機関(エンジン)とモータを動力源とした自動車を指すことが多い。

PHEV/PHV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle/Plug-in Hybrid Vehicle)

自宅や充電スタンドで充電できる「ハイブリッドカー(HV)」が「プラグインハイブリッド自動車(PHV」」です。電気とガソリンで走るHEVに、外部から充電できるBEVの特性を組み合わせたものです。PHEV/PHVはメーカーによって呼び名が違うだけで、同じものを指します。

FCEV/FCV(Fuel Cell Electric Vehicle/Fuel Cell Vehicle)

燃料電池内で水素と酸素の化学反応で発電した電気エネルギーによって、モーターを回して走る自動車を「燃料電池自動車(FCV)」と呼びます。 ガソリン車が、ガソリンスタンドで燃料を補給するように、燃料電池自動車は水素ステーションで燃料となる水素を補給します。

諸外国では、このような自動車をまとめて「xEV(電動車)」という総称であらわします。BEVだけが「電動化された自動車」ではないのです。「xEV(電動車)」という捉え方で各国の自動車の電動化状況を見ると、日本は世界で最も電動化の進んだ国のひとつと言えます。新車販売台数の約3割が「xEV(電動車)」で占められているのに比べ、各国の「xEV(電動車)」の占める割合は、1割に満たない程度です。台数で比べると米中に大差があるものの、とても大きな割合であることがわかります。

これは、日本の各自動車メーカーが環境性能と消費者のニーズを両立させた優秀な車両を開発・販売し、「xEV(電動車)」の制度環境やインフラ整備にも早期に取り組んできた成果だと言えるでしょう。


3.カーボンニュートラルと脱炭素の違い

「カーボンニュートラル」とは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロとするというもので、排出量に対し同じ量を吸収または除去することで、差し引きゼロを目指します。

「脱炭素」という言葉の明確な定義がないため、「脱炭素」と「カーボンニュートラル」は、同じ意味として使用されることが多いですが、厳密には微妙な差があります。「脱炭素」は、二酸化炭素に焦点を当てた意味合いが強くなりますが、 「カーボンニュートラル」は、二酸化炭素を含むメタン、フロンガス類といった温室効果ガス全般を指しています。

また、「脱炭素」は二酸化炭素の排出量を減らしてゼロを目指すことを意味しているのに対し、「カーボンニュートラル」は、吸収量や除去量との相殺によって実質ゼロを目指している点も大きな違いです。


4.電動化を考える時に重要なキーワード

電動化を考える時に重要なキーワードとして、「Well-to-Wheel」があります。これは、自動車の環境負荷を語る際に用いられる概念です。「Well」は井戸=油田のことを指し、「Wheel」は車輪=自動車のことを指します。すなわち「Well-to-Wheel」とは、自動車の燃料を手に入れ実際に走行させるまで、全工程を通して見た時の自動車の環境負荷を問うキーワードなのです。

燃料から走行までトータルで自動車の環境負荷を低減させるためには、「自動車」と「電源」双方の低炭素化が必要となります。新時代の自動車の目指す理想の形は、こうした課題の克服が必須となります。