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特殊災害対策車 | 特殊車両ならトノックス

1.特殊災害対策車とはとは

災害支援対策トラックのひとつ「津波対策車」災害支援対策トラックのひとつ「津波対策車」


特殊災害対策車は、HAZ-MAT車(英:hazardous-materials の略)や特殊災害対応自動車とも呼ばれ、有害物質対応のため化学物質漏洩災害等いわゆるNBC災害やCBRNE災害などの特殊災害に対応する消防車のことです。

車両には、毒劇物防護服や各種分析機器、除染機器などを備えており、当初は「特殊化学車」「化学救助工作車」等の名称が用いられていました。

近年配備されている特殊災害策車の多くは汚染物質の流入を防ぐため、空気浄化装置により車内を陽圧にできる機能も有しています


2.特殊災害とは

特殊災害はNBC災害とも呼ばれ、Nuclear(核)・Biological(生物)・Chemical(化学)の特殊災害に分類される3つの種類を示した頭文字を取ったものです。

【Nuclear(核)】…核兵器によるテロや原子爆弾・水素爆弾による核爆発、放射能汚染をあらわす
【Biological(生物)】…病原体の流出や感染症によるパンデミックをあらわす
【Chemical(化学)】…化学兵器によるテロや有害物質の漏洩事故などをあらわす

病院や研究所、化学工場などの施設では、放射性物質やウイルス、様々な有害物質を扱っていますが、これらの施設で火災などの災害のほか、人為的なミスにより事故が発生することで、NBC災害に発展する可能性を孕んでいます。

またBiological(生物)に分類される新型コロナウイルス・新型インフルエンザなどの感染症による集団感染、Chemical(化学物質)に含まれている毒物などによる異臭騒ぎや一酸化炭素中毒は近年発生数が増加しており、十分な対策が求められています。

CBRNE災害とは、NBC災害にNuclear(核)による二次災害、Radiological(放射性物質)・Explosive(爆発)による災害を加えたものです。
CBARNE災害はNBC災害に基づいて分類された概念で、近年はCBRNE災害という名称の方が多く使われる傾向があります。


3.特殊災害対策車の種類と特徴

特殊災害対策車は、1995年の地下鉄サリン事件以降、全国各地の消防機関に配備され、特別高度救助隊を持つ政令指定都市には配備が義務付けられました。
2010年からは消防庁から「特殊災害対応自動車」として貸与も行われています。また、2007年には大規模消防に消防庁からの貸与する形で、NBC災害の被害者に付着した有毒物質の除染を行う大型除染システム車が配備されました。

東京消防庁では、9消防署・出張所に化学機動中隊を配置、第三消防方面本部及び第九消防方面本部の消防救助機動部隊(いわゆるハイパーレスキュー)は、NBC災害対応特殊部隊として編成されています。

大型ブロアー車

排煙高発泡車が煙を吸い出すのに対し、「大型ブロアー車」は煙や可燃性ガスなどの気体を、後部に設置した巨大な扇風機で吹き飛ばす車両です。(厳密には風で吹き飛ばすのではなく、ファンで空気を送り込むことで気圧差を発生させ、気体を押し出す仕組み)
ファンにホースを連結すれば噴霧もでき、2005年に豊田市消防本部が導入した照明電源車と大型ブロアーの能力を併せ持つ「排煙電源車」が、日本初の配備となりました。
その後、JR福知山線脱線事故の際、ガソリン漏洩による気化ガス等の有毒ガス発生事例を教訓として、2007年に総務省消防庁からの供与の形で政令指定都市及び東京都の特別高度救助隊が設置されている東京消防庁、札幌市消防局、名古屋市消防局、大阪市消防局、福岡市消防局の5消防局に「ウォーターカッター車」と「大型ブロアー車(大型ブロアー搭載車)」が配備されました。市川市消防局も「排煙高発泡車」の更新に伴い導入、藤沢市消防局には、大型ブロアーと空気ボンベ充填機能を搭載した「大型ブロアー車」が市独自に購されました。

ウォーターカッター車

ウォーターカッターを用いて障害物を切断する車両です。
JR福知山線脱線事故の際に、車両からのガソリン漏洩によって気化ガスが充満したため、引火の恐れがあるバーナーやエンジンカッターなどによる救助資機材が使用できず救助が難航した事例を教訓とし、上述の「大型ブロアー車」と共に2007年、政令指定都市及び東京都の特別高度救助隊が設置されている東京消防庁、札幌市消防局、名古屋市消防局、大阪市消防局、福岡市消防局の5消防に貸与配備されました。

大型除染システム車

NBC災害をもたらすテロ、科学工場事故など、化学薬剤等で汚染された負傷者に除染措置をするための車両です。
車両後部コンテナに資機材を積載し、負傷者が多数の場合でも迅速に除染措置が行えるよう大型のテント内に除染シャワー室や脱衣室の他、歩行困難者をバックボードに固定したまま除染措置が行える設備を搭載しています。総務省消防庁が政令指定都市の消防局などに貸与しました。

排煙高発泡車

煙などを吸出する蛇腹(ジャバラ)状のチューブ付排気排煙機(換気扇)を搭載し、発泡した消火剤を火元に大量に送り込み窒息消火を可能とする、地下街火災時などに対応する車両です。
地下における火災では、消火活動に使用した水が排水されずに徐々に溜まり、水没する場所が発生する危険があることや、他の店舗や設備に水による二次被害や損害を避けるため、泡で消火活動を行なう必要があります。近年は排煙高発泡と照明電源の機能を有した車両や、高発泡機能を搭載した「大型ブロアー車」に更新する消防本部も増えています。



4.まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、特殊災害対策車の種類と特徴についてご紹介しました。
近年、都市部の消防機関では、NBC災害やCBRNE災害などの特殊災害に対応する消防車である「特殊災害対策車」が、多数配備されているということがおわかりいただけたと思います。

トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績があり、企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。

当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。
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