災害支援車の機能 | 特殊車両ならトノックス

1.災害支援車とは

災害支援車とは、長期の災害現場で消防隊員への後方支援を目的とした車両のことです。阪神・淡路大震災を契機に、消防の後方支援体制の充実を図るために配備され、緊急消防援助隊の設置後、全国各地の消防本部の度重なる広域派遣によってさらにその重要性が高まりました。

2006年には「支援車」という規格が誕生し、支援車I型と支援車II型に分離され、2007年にはIII型とIV型が誕生しています。

地震・台風・人災など、あらゆる災害が発生した場所へと迅速に向かい、現場での情報収集・分析・連絡・指揮のために配備される車輌で、厳しい災害現場での長期間の滞在を支援するために必要な物資や機能を積載・装備しています。

車体の幅を拡張することにより室内スペースが広がり、様々な現場で長期滞在が可能です。各種通信機器、発動発電機、厨房、簡易ベッド、シャワー、トイレ等の生活用設備が整っており、情報発信やレスキュー活動を行ううえでの拠点となります。

2.災害支援車の種類と特徴

●支援車Ⅰ型（拡幅車）

緊急消防援助隊が使用する支援車として、消防庁から全国に配備された災害支援車です。車両総重量20トン以下でありながら最大積載量4,5トン以上、最大安定傾斜角度３５度以上を維持することができます。
低重心かつ軽量なボディ製造技術を活かし、居住スペースには、冷暖房装置、ガス給湯器、テレビ、電子レンジ、冷蔵庫のほか、乗車シート兼用ベッド、トイレ、シャワールームや給水・排水タンクの他、発電機を備えたキャンピングカータイプで自己完結型の車両です。荷物室には、リヤゲートを使って積み降ろしができる資機材を入れるためのカーゴコンテナ、１６名分の乗車を可能にする補助シートを展開するスペースが確保されます。折り畳みベッドを展開すると仮眠スペースにもなり、隊員のストレス軽減と心身の回復にも役立ちます。

●支援車Ⅱ型

Ⅱ型は、資機材を格納するためのコンテナを着けはずしできる車両です。
資材搬送車の中でもコンテナ式や有蓋車型がこれに当たり、物資の輸送を主な目的としています。
I型と異なり安価で済み、資機材の搬送能力も高い点から、比較的中規模の自治体に配備されています。

●支援車Ⅲ型

Ⅲ型は、多くの人員が乗車でき、かつ積載用の広いスペースを持つ大型の車両です。交代要員と同時に資機材を運べ、主にマイクロバスが対象となる型です。
・20名以上の乗車人員があること
・車両後部に資機材搬送用のスペースを確保すること
・4輪駆動車であること
などが規定されています。従来は人員搬送車と資機材搬送車で行っていた活動を兼務できるものとなっています。

●支援車Ⅳ型

Ⅳ型は、現場で連絡体制を整備するための車両で、険しい山道や脇道、災害に見舞われて荒れてしまってできたような悪路を走る能力にも優れ、様々な種類の無線機やＦＡＸなどが整備されており、通信系を強化した車両です。
主にSUV・クロスカントリー型の車両に様々な通信の設備を充実させたものとなっており、小型で機動力のある無線通信・統制車として運用するのが目的とされます。

●拠点機能形成車（拡幅型）

総務省消防庁が東日本大震災の教訓から2013年度から順次配備を進めている車両でI型に準じています。大人数での宿営が可能な資機材を積載でき、東京消防庁の即応対処部隊にも配備されています。
大規模災害等における後方支援機能を充実させるため、新たに開発されました。
１００名分の長期活動を支援するための、大型エアーテント、発動発電機や寝袋、組立式シャワー、トイレ、浄水器、調理器具、寝具セット、暖房機、冷房機ななどの資機材を搭載し、長期の自給自足や救援活動を支えることができます。
車内のスペースを拡幅させることが可能で、広大な空間を作り出し、現地指揮本部の設営に貢献します。ディーゼルエンジンの発電機が搭載され、車両装備機器用に電気を供給するもの、外部電源として供給するものとに分かれており、電源車としての機能も兼ねています。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか？
今回は、様々な支援車の種類と特徴についてご紹介しました。

トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績があり、企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。

当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。
ご相談お待ちしております。