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ADAS(先進運転支援システム)と自動運転HMI | 特殊車両ならトノックス

ADAS(英:Advanced driver-assistance systems=先進運転支援システム)では、ヒトと車載システムが自動車を共同で運転します。
ADASがドライバーの運転を支援し安全性を向上させるための情報伝達を行うために重要なのが、HMI(Human Machine Interface:ヒューマンマシンインタフェース)の概念です。

この記事では、「ADAS開発と自動運転HMI」についてご紹介します。

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ADAS(先進運転支援システム)とは

ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)とは、先進運転支援システムのことで、ドライバーの運転を支援し安全性を向上させるさまざまな技術の総称です。ADASは一連のセンサーやカメラ、レーダー、ライダー、GPSなどの機器を使用して車両の周囲の環境を監視し、得られた情報を基にドライバーに情報を提供したり、場合によっては車両の制御を一部自動で行ったりします。

ADASの例としては、以下のようなシステムが挙げられます。


●自動緊急ブレーキ(AEB)
●車線維持支援システム(LKAS)
●適応型クルーズコントロール(ACC)
●トラフィックサイン認識(TSR)
●パーキングアシスト
●ブラインドスポット監視
●横断歩道警告
●ドライバー疲労警告


各ADAS技術は特定の運転状況において、衝突回避やドライバーの負担軽減を目的として様々な形で支援を提供します。
それぞれが発達するほどに、これらのシステムはより高度に統合され、将来的には完全自動運転への橋渡し役を担うと考えられています。


自動運転HMIとは

自動運転HMI(Human Machine Interface)は、自動運転技術を搭載する車両と人間とのインターフェースです。インターフェースとは、「2者間をつなぐもの」という意味の言葉です。

自動運転HMIにより、人間は車両のシステム状態を理解したり、必要に応じて制御したりすることができます。

HMIは視覚的表示、音声応答、タッチスクリーン操作など多様な方法によってユーザーに情報を提供し、またユーザーの入力も受け付けます。進化する自動運転のレベル(レベル0からレベル5まで)に応じて、HMIの重要性も高まり、より直感的で効果的なインタラクション設計が求められています。
それはドライバーにとって自動運転技術を理解しやすくし、かつ信頼できる運転支援のために不可欠な要素です。


ADAS開発におけるHMIの位置付け

ADAS(Advanced Driver Assistance Systems:先進運転支援システム)開発におけるHMI(Human Machine Interface:ヒューマンマシンインタフェース)の位置付けは非常に重要です。ADASは、ドライバーの運転を支援し、安全性を向上させるための機能群を提供しますが、これらのシステムとドライバーとの間での情報や指令のやり取りがHMIによって行われます。

ADASにおいてHMI要素を検討するには、広義には人間工学と同義とされるヒューマンファクターズ(Human factors:人的要因)を定義することが重要です。

例えばステアリングやブレーキペダルの操作など、ヒトが車を運転する際の動作を安全かつ経済的に動作・運用できるように定義しなければなりません。
定義されたヒト(ドライバー)の動作をマシン(自動車)が検出することで、ヒトからマシンへの指令伝達は行われます。

HMIは、運転者に対して視覚的(ディスプレイ、インジケーター)、聴覚的(音声アラート、警告音)、触覚的(ステアリングやシートからの振動)などの方法でADASからのフィードバックを提供し、ドライバーがシステムを直感的かつ迅速に理解し、適切に反応するための手段です。

例えば、車線逸脱警告の場合、HMIは車両が車線を逸脱しているときにドライバーへ警告を発します。自動ブレーキシステムでは、衝突の可能性がある際にドライバーに予警告を出し、反応がない場合はシステムが車両を停止させます。これらのインタラクションは、運転の安全性を大幅に向上させるとともに、ドライバーの安心感と信頼を構築するために重要な役割を果たします。

さらに、HMIはドライバーと車両の現状または必要な運転操作に関する情報を共有することで、ADAS機能の適切な使用を可能とします。よって、HMIの設計はユーザー体験を重視し、システム操作を簡単で分かりやすいものにすることが欠かせません。技術が進化する中で、HMIは人と機械の間の「対話」をよりシームレスにし、全体的な運転体験の質を高めるために必要な技術のひとつとされています。


ADASシステムからドライバーに伝達される情報

ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)システムからドライバーに伝達される情報の中で、主に重要なのは「情報供給・注意喚起・警報」の3つです。
従来の運転サポート情報に加えて、複数のセンサーやカメラで得られる環境情報が含まれています。主に以下のようなタイプの情報が提供されます。


1.視覚情報
ヘッドアップディスプレイ(HUD)による速度、ナビゲーション情報
バックミラーまたはセンターコンソールのディスプレイ上に表示されるリアビューやサラウンドビューカメラの映像
車線逸脱警告や車線維持支援システムからの車線の視覚的表示

2.音声情報
各種警告音声や情報を伝えるナビゲーションシステムの音声
緊急ブレーキなどの安全機能アクティベーション時のアラート音

3.触覚情報
ステアリングホイールやシートからの振動信号で、例えば車線を何らかの理由で逸脱した際にドライバーに警告する

4.予防安全情報
衝突を予測してドライバーに警告する前方衝突警告
ブラインドスポットの検出により、横隣の車線変更時のリスクを低減する情報
駐車支援システムによる駐車場所のガイドライン


これらの情報はドライバーとADASの間のインタラクション(相互作用)を形成し、究極的には運転をより安全で快適なものにすることを目的としています。
HMIデザインは、これらの情報が効果的にドライバーに伝達され、誤解を招くことなく直感的に理解できるようにするため、非常に重要です。それによって、ドライバーは適時に適切な運転判断を行うことができるのです。