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自動車の脱炭素化に向けて② | 特殊車両ならトノックス

日本では現在、自動車電動化に関する考え方と目標、電動車の普及はどのような状況になっているのでしょうか?また、電動車の普及促進に向けたさまざまな支援策や取り組みはなされているのでしょうか?この記事では、環境にやさしい自動車の開発や、脱炭素化の動きについてご紹介いたします。

1.日本がかかげる「経済と環境の好循環」

2020年10月、日本政府が発表した「2050年カーボンニュートラル宣言」で「経済と環境の好循環」を実現するための産業政策として、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(グリーン成長戦略)」が掲げられました。
「カーボンニュートラル宣言」では、2050年までに脱炭素社会を実現し、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目標としています。

「グリーン成長戦略」とは、国際的にも脱炭素化の機運が高まる中、“グリーン”に日本の次なる成長の機会を見出し策定されました。「グリーン成長戦略」では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、今後、産業として成長が期待され、なおかつ温室効果ガスの排出を削減する観点からも取り組みが不可欠と考えられる分野として14の重要分野を設定しています。そのひとつとして、自動車・蓄電池産業が位置づけられているのです。

水素を使って電気をつくるFCV・FCEV(燃料電池自動車)水素を使って電気をつくるFCV・FCEV(燃料電池自動車)


2.自動産業の成長戦略の概要

自動産業の成長戦略の概要は、大きくまとめると、以下のとおりです。

電動化の推進:2035年までに、乗用車新車販売で電動車100%を実現するために、包括的な措置を講じる。(商用車については8トン以下の小型車/8トン以上の大型車で別途目標値を設定)
水素社会の実現:クリーンで安価な水素の確保と商用車における水素の活用を推進する。

燃料のカーボンニュートラル化:2040年までの自立商用化を目指し、合成燃料の導入拡大・コスト低減を図る。
「2050年カーボンニュートラルの実現」という目標に向け、日本は特定の技術に限定することなく、多様な技術の選択肢を追求することとしています。それによって、日本の技術開発の強みや産業基盤を活かすこと、また技術間のイノベーション競争を促進することを狙っています。

3.多様な電動車の強みを活かして

動力源の100%が電気であるEV(電気自動車)のほかにも、ガソリンと電気の両方を使うHV・HEV(ハイブリッド自動車)やPHV・PHEV(プラグイン・ハイブリッド自動車)、水素を使って電気をつくるFCV・FCEV(燃料電池自動車)があり、それぞれにメリットとデメリット、「脱炭素化」実現への課題があります。

電動車の種別による、それぞれの強みと課題を考えると、用途によって適材適所で使い分けることで2050年までの「脱炭素社会」実現への目標を達成できると考えます。

例えば、航続距離(積んだ燃料や電池で一度に走行できる距離の長さ)が短い小型EVは、近距離の移動や、“ラストワンマイル”と呼ばれるような物流の最終区間の配送などでの利用に適していますし、いっぽう、EVよりも航続距離の長いFCVは、移動ルートがある程度固定されている商用車用途で、そのルート上に充てんステーションを適宜配置すれば、燃料となる水素充てんに関するインフラ整備の課題もクリアになり、長距離を移動する商用車に活用することができます。

このように、電動車それぞれの強みを活かした利用方法が検討され、国内の各自動車メーカーでも、「カーボンニュートラル」「脱炭素化」に向けて、「2035年までに、乗用車の新車販売で電動車100%」という目標の実現を目指し、EV、FCV、HV・PHVなどの電動車比率を高め、普及していくことが表明されています。
年々、官民一体となって供給の動きは活発になっていますが、需要側では、電気自動車の新車販売台数自体は伸びているものの、販売台数に占める割合はまだまだ小さいというのが現状です。