特装⾞の様々な種類とその役割④ | 特殊⾞両ならトノックス
特装車(とくそうしゃ)とは、自動車メーカーが⽣産した自動車(完成車)に対し、特定の用途や目的の為に部品や装置を取付けたり、ボディやシャシに対して改造を加えられたものを指します。
トノックスでは支援車や津波対策車、消防車、高速道路パトロールカーなど多種多様な特装車を製造していますが、今回は様々な特装車の種類とその役割についてご紹介します。
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特装⾞の様々な種類とその役割③
1.救助工作車(レスキュー車・救助車)
救助工作車(きゅうじょこうさくしゃ)は、日本の消防の特別救助隊や特別高度救助隊等が使用する日本の消防車の⼀つです。
正式な名称は救助工作車◯型。
⼀般では救助隊の通称である「レスキュー隊」が使⽤することから、レスキュー車とも呼ばれます。東京消防庁や札幌市消防局などでは救助車と呼ばれています。
火災や交通事故、自然災害など⼀般生活上で起きるさまざまな救助事案に対応できる多数の救助資機材を積載し、現場へ急行して救助活動を展開することが目的です。
主にウインチ(回転ハンドルまたは原動機の回転力を、歯車装置などで減速して回転させるドラムでロープなどを巻き取り、ロープなどに張⼒を与える機構)・照明装置・クレーンなどを装備し、中型トラックをベースとした車両が⼀般的です。
フロントにウインチを装備するため、バンパーが他の消防車よりも大きく張り出しているのが特徴となっています。
近年ではバンパーの張り出しを抑えた⾞両も登場しています。座席シートが2列になっているダブルキャブの⾞両が主流です。
全国の消防本部に特別救助隊が設置されたのに合わせ、II型の救助工作車が全国の消防に多く導⼊されていました。
この後、阪神大震災の教訓から震災対策・広域応援のために緊急消防援助隊制度が発足し、東京消防庁の消防救助機動部隊(通称:ハイパーレスキュー)や政令指定都市の消防局及び中核市消防本部に特別高度救助隊・高度救助隊など震災対応部隊が創設されました。
現在ではI型からIV型までの車種があり、自治体の規模や受け持ち地区の地形、用途などによりハイルーフ(屋根を高くしている車)、バス型などの車両がそれぞれ配備されています。
類似の車両としては、林野火災に対応できる装備を積載した「林野工作車」や、水難救助隊の装備を積載した「水難救助車」があります。
また、警察には消防の救助工作車を水色や緑色で配色した「広域レスキュー車」や「機動救助車」等のレスキュー⾞があります。
2.野外支援車(トイレカー)
野外支援車(やがいしえんしゃ)は、陸上自衛隊の装備です。通称「トイレカー」と呼ばれ、4tトラックの荷台を改造したものがほとんどで、小便器と大便器が別々に設置されています。
従来は電磁波を利⽤して汚物を加熱処理する方式が採用され、加熱処理したものは灰となるためそれを廃棄していましたが、後に導⼊された物はラップ内に凝固剤と共に封⼊して、普通ゴミとしてゴミ処理場で焼却する⽅式に変更されました。
戦闘時よりも災害派遣などで重宝されており、稀に駐屯地開放イベントなどで展⽰されることもあります。
主に⽅⾯隊、師団などの需品科に配備され(普通科であれば旅団等⼄・丙連隊の本部管理中隊補給⼩隊)、警察にはベンツをベースにした「トイレカー」がありますが、⾃衛隊のものよりもかなり⼩型となっています。
なお、この装備は主な導⼊経緯として、阪神⼤震災における簡易トイレの絶対数が⾜りなかった教訓のほか、近年の地震など天災の⼤規模災害等の増加によるところが⼤きく、災害時に派遣され重要な役割を果たしています。
3.パトロールカー(パトカー)
⽇本語では「パトロールカー」という⾔葉は⼀般的に、警察官が乗り犯罪の予防・検挙や、交通の指導・取り締まりのために巡回するのに⽤いる⾃動⾞のことを指し「パトカー」と略して呼ばれ浸透しています。
英語では、もう少し広い範囲を指す「police car」(警察⾞両という意味)という名称・概念を⽤いることが⼀般的なようです。
⽇本では主に、警察の治安維持活動、ライフラインを点検する為の⽔道局、ガス会社、電⼒会社、電話会社、鉄道会社、法務省出⼊国在留管理庁地⽅出⼊国在留管理局、国⼟交通省、⾼速道路会社(旧⽇本道路公団等)の交通管理隊、また「⻘⾊防犯パトロール」と呼ばれる⾃主防犯活動に⽤いられる町内会(⾃治会)などで使⽤される⾞両や⺠間警備会社の⾞両などが「パトロールカー」に分類されます。
防犯活動⽤など⼀部のもの(住⺠有志の⾃家⽤⾞であったり役所の公⽤⾞だったりする)を除き、特種⽤途⾃動⾞(8 ナンバー⾞)となります。
⽇本の警察におけるパトロールカーは、緊急⾃動⾞指定を受けた警察の⾞両であり、前途の通り「パトカー」と略されます。警察業界⽤語では「PC」と呼ばれ、警察無線でも「PC」は⼀般的に使われているようです。
パトロールカーは、制服パトカー(⽩⿊ツートーンカラーで警光灯を装備)と覆⾯パトカーに⼤きく分けられ、街でよく⾒かける制服パトカーは、消防⾞や救急⾞とは異なり、「機動警ら(地域警察)」という運⽤であり、警察本部・警察署などの庁舎で待機するのではなく、常に街中にいて犯罪・事故の未然防⽌と110 番通報時に現場へ迅速に臨場することに備えています。
また「交通警察(交通機動隊・⾼速道路交通警察隊・警察署交通課)」や「刑事警察(機動捜査隊・警察署刑事課)」が街中で取締や警戒・捜査を⾏うだけではなく、街中から現場へすばやく向かう⽬的もあります。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか︖
今回は、災害救助や災害⽀援、治安維持に関する特装⾞をご紹介しました。
トノックスは、特装⾞・塗装・計測解析業務・レストア専⾨の製造会社です。
創業以来、知識・経験・技術⼒を積み重ね、⻑い歴史の中で常にお客様の課題解決のために最善の品質を追求していくことを⼤切にしてきました。
それは、私たちの⾞づくりへの姿勢でもあります。
個⼈のお客様の⼀台のご注⽂から、国の⾏政機関・公共団体の⼤⼝のご発注まで多数の受注実績がございます。企画・設計から、製造・整備まですべて⾃社にてまかなえる⼀貫体制が整っています。
当社では昭和23年の創業より働く⾞、特殊⾞両の専⾨メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の⽅は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。