車限取締車と車両制限令等違反車両取締隊 | 特殊車両ならトノックス
車限取締車とは、高速道路の入口で重量オーバーや荷崩れが発生しそうな貨物車等を取り締まる車両です。
車両制限令等違反車両取締隊(取締隊、または車限隊)と共に、安全な高速道路を守るために日々活躍しています。
株式会社トノックスでは、車限取締車の製造を行っています。
今回の記事では、車限取締車と車両制限令等違反車両取締隊についてご紹介いたします。
1.車限取締車とは?
「車限取締車(しゃげんとりしまりしゃ)」は、一般には聞きなれない名称の車ですが、高速道路の入口で重量オーバーや荷崩れが発生しそうな貨物車等を取り締まる車両です。
車両制限令等違反車両取締隊、通称取締隊(車限隊)が乗車し、使用するパトロールカーの一種です。拡声器やドライブレコーダー、車載型無線機、LED車載標識装置操作板、電子サイレンアンプ、投光器用リモコンなどを搭載しています。
「車限取締車(しゃげんとりしまりしゃ)」は、「道路法」という法律の中で定められた「車両制限令」に基づいて、道路が壊れないように、その上を走る“クルマの重さを制限する”任務のため、車限隊が利用している車両です。車限隊は、怪しい車両を見つけると、無線でETCゲートにいる仲間に連絡。ETCゲートの隊員が、該当車両を停止させて、重量を測る装置の上に誘導し、実際の重さを計測するというのが取締りの流れです。
もちろん、違反車には罰則も用意されています。
2.法令違反車両から高速道路を守る「車限隊」
高速道路は一定の規格で作られているため、どんな車両でも自由に通行できるわけではありません。道路構造物を守り、交通の危険を防止するため、自由に道路を通行できる車両の規格(幅、長さ、高さ、重さ等)の限度値=「一般的制限値」が、「道路法」の政令「車両制限令」により定められています。
また、車両構造又は積載物が特殊であるため、やむを得ず「一般的限度値」を超過してしまう場合は、事前に道路管理者に申請を行い、「特殊車両通行許可」を取得する必要があります。
NEXCO東日本では、法令違反車両から高速道路を守るため、主に車両制限令違反車両と荷崩れ・積荷を落下させる恐れがある積載不適当車両に対して取締を行う、車両制限令等違反取締隊通称「車限隊(しゃげんたい)」を編成し、昼夜問わず取締業務を行っています。
取り締まりは、主に料金所入口部で実施し、料金所近くで監視している隊員がトラック等の貨物部分のタイヤの沈み加減や、他車との走行スピードの違い、さらには近づいてくる際のエンジン音の違いによって車両制限令違反の疑いのある車両を瞬時に見分けます。
隊員が怪しい車両を見つけると、当該車両を取締スペースに誘導し、車両総重量・寸法の計測、「特殊車両通行許可証」の携行状況と内容確認を行います。調査の結果、法令違反が判明した場合には、「道路法」に基づく「措置命令書」をドライバーに交付し、Uターンや次のインターチェンジでの流出を命じて、高速道路から退出してもらいます。
取り締まりへの協力や違反内容の説明等に時間がかかる場合もありますが、多くのドライバーの安全と道路を守るため、「車限隊」は違反車両ゼロを目指して、取り締まり業務にあたっています。
※「特殊車両通行許可」については、過去にご説明した記事があるのでご参照ください。
3.車限取締車の重要な役割
重量超過などの車両制限令違反車両が高速道路を通行すると、道路に大きな損傷を与え、高速道路の老朽化が加速する一因となります。
そのため、高速道路構造物の健全性を適切に維持し、安全・安心・快適な走行環境を長期にわたり確保することを目的に、インターチェンジ入口などで車両制限令違反車両の取締りを実施するのが、「車限隊(しゃげんたい)」と、「車限取締車(しゃげんとりしまりしゃ)」です。
車両制限令違反の疑いのある車両は計測所へ誘導し、積荷の確認、車両総重量や積み荷を含めた車両の高さ、長さ、幅などについて違反がないか計測します。
「車両制限令」に違反して高速道路を走行すると、車両のバランスが崩れるほか、ブレーキの効きが悪くなるなど、重大な交通事故に発展しかねないのです。
特に大型車両が関係する事故では、人的被害が大きくなるのはもちろん、道路構造物に多大な損傷を与え、また安全な走行環境への回復に時間を要することで渋滞を長引かせてしまいます。それによって、事故による被害のみならず、CO2排出量の増大や周辺交通機関の混乱やトラブル、二次被害を引き起こすなど社会的な影響も大きくなってしまいます。
こういったことを未然に防止するために、「車限隊(しゃげんたい)」と「車限取締車(しゃげんとりしまりしゃ)」は、インターチェンジ入口などで取締を実施し、お客さまの安全を守っています。
各ICには、自由に道路を通行できる車両の規格を記した、一般的制限値の看板「一般的制限値看板」が必ず設置されています。
万が一不安な場合には、ご自分の車両が違反していないか、必ずチェックしましょう。