株式会社トノックス|神奈川県の特装車工場

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特殊自動車とトノックスの目指す未来【後編】| 特殊車両ならトノックス

株式会社トノックスは、創業当初から70年以上に渡り平塚・横浜の地に根ざし、警察車両や消防車、道路維作業車、医療系車両をはじめとする「特殊架装車」の設計・開発・製造を手掛けてきました。

特装車の製造企業は全国に数百社ありますが、軽乗用車から大型車まで幅広い車を扱っていて、職人の技術を活かした小ロット生産を行っている点で、トノックスは独自のポジションにあります。

今回の記事では、「GLOCAL」に掲載された、株式会社トノックス常務取締役 殿内崇生氏のインタビューより、トノックスの大切にしている理念について2回にわたってご紹介します。

前編はこちら…


1.グローバル視点とローカル視点の掛け合わせで

トノックスは、これまで培ってきた製造ノウハウに加え、よりグローバルな視点を持ってEV車や自動運転車などのモビリティ分野にも注力し、平塚を拠点とする全国のまちづくりにも貢献していきたいと考えています。

グローバルとローカルは対比軸で考えられる傾向にあります。グローバルとは、「国境を越えて地球全体にかかわるさま」を表し、「世界的規模の」という意味でも使われます。いっぽう、ローカルとは、一定の地域(地方)またはそこに限られた特定のモノや状態のことを指します。グローバルで行われていることは、いずれローカルで行われるものと考えられます。

トノックスは、2024年の1月アメリカのラスベガスで開催された世界最大のテクノロジーイベント「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」に参加しました。「CSS(通称:セス)」とは、米国各地で毎年数回開催される家電製品中心の見本市。で、全米家電協会(CEA)が主催しています。
年初にラスベガスで開催されるものは世界最大級として知られています。

近年の「CES」では、車産業のテクノロジーの進化に大きな注目が集まっています。「車といえば日本」という印象を持たれている方も多いかと思いますが、意外にも日本の出展企業は少なく、アジア圏では韓国や中国企業の台頭が目立ちます。また世界の先進国と比較すると、日本はEV車や自動運転の技術で後れを取っているという事実は否めません。

しかし、殿内崇生氏は決して日本の車産業に悲観してはいません。今後のトノックスの展望について、次のように語っていました。

「これまで日本人が培ってきたモノづくりのアイデンティティと技術力には、まだまだ大きな可能性があると私は信じています。世界と日本のモノづくり力において、良い面や成長できる面を上手に掛け合わせることで、より良いモノを生み出せる力になっていくのではないでしょうか。そして世界の企業から学ぶべきことを学び、それらを自社へ落とし込み、トノックス流モノづくりを通して日本や平塚というローカルな地に貢献できる企業を目指していきたいと思っています」

これからは共存の時代。変化を見据え、走り続ける企業“トノックス”これからは共存の時代。変化を見据え、走り続ける企業“トノックス”


2.モビリティを通してまちに貢献を

企業として地域により貢献していくためには、よりモビリティ分野に注力する必要があるとお伝えしましたが、モビリティとはなんでしょうか。

「モビリティ(英:Mobility)」は、本来「(体の)動きやすさ、機動性」、「(社会などの)流動性、移動性」を意味する英単語です。 転じて、交通の分野では「人やモノ、コトを空間的に移動させる能力、あるいは機構」を指して使われています。

自動車だけでなく、自転車や歩いて移動することも「モビリティ」になります。これまでトノックスでは特装車製造を通じた地域貢献を行ってきましたが、新しい移動手段のカタチが生まれてきている昨今、それらを利用する一般の方々にも何かしらの手段で貢献できることはないかと模索を続けてきました。

今から20年先の未来では、人の移動手段、車の世界も大きく変わっていることでしょう。現在は実用化が進んでいないEV車や自動運転車が主流になっているかもしれません。それには、EV車や自動運転車に対応したインフラの整備が不可欠です。つまり、移動手段が変わるということは、まちのデザインそのものが大きく変わるということでもあります。

もしEV車や自動運転車が移動手段の主流になる日が来れば、そのまち全体のあり方も大きく変わるきっかけになるでしょう。そうなったときに、単に「車」という観点だけではなく、より広い「モビリティ」全体での視点を持った経営が必要になっていくのではないでしょうか。殿内崇生氏は、トノックスの未来について次のように述べています。

「まだすぐには実現されないとしても、未来のまちのあり方を見据えながら技術を磨き、集積したノウハウをどう活かすかまでを具体的にイメージして設計図を描いてくことは、我々の重要な役目の一つだと考えています」


3.変化を見据え、走り続ける企業へ

これからは共存の時代です。

自社だけで何かを完結するのではなく、他企の業とも協力することで生み出せるものも数多くあるでしょう。だからこそ、70年の歳月をかけて培ってきた自社の技術力を活かし、それらを必要としてくれる企業と手と手を取り合って取り組んでいく姿勢は非常に大切なことです。

さまざまな垣根を越えた、「多様な在り方」が自動車産業を盛り上げていく一助になっていくと信じています。

かつての日本のモノづくりの隆盛と比べ、現在の日本のモノづくりは停滞し、「発展しきった」と感じられている方も少なくないでしょう。しかし、どんな状況、どんな時代においても、絶対にモノづくりが世の中からなくなることはありません。

AI(Artificial Intelligence)やIoT(Internet of Things)などの技術革新との組み合わせにより、この先新たな可能性も見いだせる分野なのです。
日本の未来を担う若い方々に向けて、殿内崇生氏はこんなメッセージを発信しています。

「ぜひ大きな期待を胸に抱き、モノづくり業界に飛び込んでみてほしい。私たちトノックスも、これからの時代に必要とされる技術力や、企業としての在り方を見極め、地域に根ざしながら世界に引けを取らない企業へと邁進していきます。共に成長していきましょう!」

株式会社トノックス 常務取締役 殿内崇生プロフィール

2001年 株式会社大昌電子入社。2006年より河西工業株式会社を経て、2007年に株式会社トノックス ヤナセテック株式会社に入社。現在は株式会社トノックス常務取締役、ヤナセテック株式会社代表取締役社長を務める。

参照:トノックス|GLOCAL | グローカル -グローバルな視点で、ローカルを加速する