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モビリティと交通サービス | 特殊車両ならトノックス

1.モビリティと交通サービスのいま

「モビリティ=Mobility」とは、「モバイル=Mobile(形容詞)」の名詞形で、直訳すると「可動性」や「移動性」「流動性」「機動性」などを意味します。

本来さまざまな場面で使用される言葉ですが、近年自動車メーカーをはじめとする交通関連事業者が、移動や輸送に結び付けて使用する例が多く、「モビリティ」といえば人の移動やモノの輸送などを指すことが多くなってきています。

自家用車やバス、タクシー、鉄道など、それぞれ各事業で分断していた交通手段の境界が低くなり、「移動」そのものに着眼した越境での事業展開が求められるようになってきたことが背景にあります。これからの交通を考えるとき、「モビリティ」という大枠で移動を捉えていくことが重要になると予測されます。


多様化するモビリティサービス
多様化するモビリティサービス


2.多様化が進むモビリティサービス

交通関連事業での「モビリティサービス」の代表例としては、バスやタクシー、鉄道などの公共交通、レンタカーなどが挙げられます。移動に関連する各種サービス全般が「モビリティサービス」に該当しますが、こうした基本的なサービスに加え、近年はシェアリングサービスに注目が集まっており、カーシェアやサイクルシェアなどが拡大の傾向にあります。今後、電動キックボードなどの新しい「モビリティサービス」が次々とシェアサービス化されるでしょう。

海外では、自家用車をシェアする「ライドシェア」市場が急成長を遂げました。主に、目的地が同一方向の利用者が乗車する乗り合いサービスと、自家用車を活用してシェアするサービスです。このほか、AIを活用した「オンデマンドバス」などのサービスも裾野を拡大しています。

「オンデマンドバス」とは、ユーザーが運行エリア内の希望の発着地をアプリ等に入力することで、現在地に近い「乗車地点」から目的地近くの「降車地点」までの配車をリクエストすることができるサービスです。 運行エリア内で、出発地と到着地をアプリに入力し、アプリから指定されたポイントで待っていると、最も近い車両が乗客をピックアップしてくれます。

また、国内では、観光や飲食、各種体験など移動目的となり得るさまざまなサービスと移動サービスを結び付け移動促進を図る事業や、自家用車の進化を図るサービスなども生まれています。


3.「空飛ぶクルマ」運航事業者公募も

大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は、「空飛ぶクルマ」を2025年の万博会場・夢洲(大阪市此花区)近辺で実用化するため、会期中に会場と関西空港や大阪の都心部などの2つの地点をつないで空飛ぶクルマを運航する事業者を公募しました(2023年1月20日に締め切り)。

2月21日には、1次募集で選ばれた4つの企業やグループが発表され、このうち「ANAホールディングス」、機体を開発するアメリカのベンチャー企業「ジョビー・アビエーション」、「日本航空」が選ばれました。
「日本航空」は、21日国土交通省に型式証明の申請を行ったドイツの「ボロコプター」の機体を使用する予定です。

また、大手商社の「丸紅」は、イギリスの「バーティカルエアロスペース」の機体、日本のベンチャー企業「SkyDrive」は、自社が開発する機体で運航する予定で選ばれています。


4.モビリティの可能性を広げる自動運転技術

自動運転技術は従来、人の手によって操作していた車両の制御をコンピューターが代替し、ドライバー不在の走行を実現するものです。運転の無人化によって人件費を削減できるほか、高齢化するドライバーの事故を未然に防ぐ等、交通安全の進展にも大きな期待が寄せられています。

将来、ドライバー不在の運転が実現すれば、移動サービス・輸送サービスの構造を大きく変化させる可能性があります。また、バスやタクシー、宅配などの各事業において、非常に高い割合を占める人件費が削減されるため、業績改善や低料金化にも大きな一役を担うと考えられています。

こうしたサービスの無人化が実現することで、赤字運営が前提となっている地方公共交通の事業継続に明るい兆しが見えてきますし、激増する宅配需要に低コストで効率的に応えることができるようになるでしょう。

自動運転技術は、各モビリティの可能性を大きく広げていく技術として、たくさんの可能性を秘めています。