株式会社トノックス|神奈川県の特装車工場

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パトカーもEVの時代へ。EV消防車、EV救急車なども登場。 | 特殊車両ならトノックス

近年世界的なEV(電動車)化の波が訪れており、日本においても車を購入する際の選択肢として認知されるようになりました。こうした中で、いよいよパトカーや消防車、救急車もEV化を遂げつつあるようです。

今回は自治体や官公庁における特装車のEV化についてまとめていきます。

1.2023年3月、EVモデルのパトカーが大量導入

2023年3月15日、東京都江東区内の警察施設にて、ゼロエミッション車等の警察車両納車式が執り行われました。今回は複数のメーカーから複数の車種が同時に配備された形になります。
ゼロエミッション車とは直訳すると「ゼロ排出車」のことで、環境に有害な二酸化炭素や窒素酸化物、一酸化炭素、粒子状物質などの大気汚染物質や温室効果ガスを発生させない車両です。

現在世界中で環境に配慮する車が求められており、日本でもいつか環境に配慮したパトカーが誕生するだろうと言われていました。
それがついに、首都を守る警視庁に大量導入されたのです。

2023年3月までに、熊本県警と宮城県警にもEVパトカーが導入されていましたが、首都圏では初めてです。

東京都では、2023年までに温室効果ガスを50%削減する目標を盛り込んだ『未来の東京戦略』を令和3年に掲げています。このため走行中の排気ガス排出をゼロにする「ゼロエミッション車(ZEV)」の導入を積極的に行い、CO2の削減に向けた取り組みを進めているのです。


Vと代替エネルギーでCO2削減を目指すVと代替エネルギーでCO2削減を目指す


2.ただ走るだけではない。災害時の電源車にも

東京都の公用車はすでにゼロエミッション車に置き換わりつつあり、その中で警視庁のパトカーにもゼロエミッションのEVパトカーが導入されるに至ったということですが、今回導入されたパトカーは、一部車種を除いて比較的大容量のバッテリーを搭載しています。

このため、災害発生時には信号機を稼働させたり、警察施設等への給電をしたりといった使用法も想定されているとのこと。

実はすでに警視庁の幹部用車において複数のメーカーからのEVが導入されてきましたが、今回のように複数車種が同時に配備されるのは初となります。


3.パトカーだけではないEV化

2020年3月31日、東京消防庁は日本初となる「EV消防車」の導入をしたことをSNS上で公表しました。
この日本初となるゼロエミッション救急車は、同年5月12日には池袋消防署にて稼働を開始したとのことです。

この消防車には駆動用バッテリーと装備品用バッテリーのリチウムイオン電池が搭載されており、二つのバッテリーを搭載することで、電装機器やエアコンをより長時間作動させることが出来、停電時や災害時には移動電源としても活用することが出来るとのこと。

消防車には消防隊員と患者の傷病者が乗るため、身体的な負担の軽減が求められてきました。電動車の大きなメリットの一つに、振動が少なく静粛性が高いことが挙げられます。

この納入されたEV救急車はその後どう活躍しているのでしょうか。
池袋消防署は平日昼間に救急要請が多いことから、2019年5月に「デイタイム救急隊」を発足させました。運用時間はそのため、平日朝8時30分から夕方17時15分までの間にEV救急車を稼働させ、夜間は充電時間に充てているということです。

また、このEV救急車には電動ストレッチャーも搭載されており、傷病者の搬送に大きく役立っていることがうかがわれます。
運用は日中のみとなるため、夜間に充電したEV消防車が運用中に充電が必要になることはないとされており、万一の場合には各署に配置されている非常用の救急車両(ガソリン車)を運用する方針です。

4.最新技術のEV消防車

2023年6月15日から18日まで東京ビッグサイトで開催された「東京国際消防防災展2023」には、最新技術を搭載した消防自動車、消防活動支援システムが出品されました。
中でも注目を集めたのが、電気自動車の消防車。2026年をめどにEVタイプの消防車は事業化される見通しです。

この消防車はEVで、ポンプの無駄な動きを制御する技術などを取り入れて効率を高め、バッテリー駆動のEVでも2時間程度の連続放水ができるようになりました。

今後政令指定都市を中心とした自治体からの受注を見込んでおり、CO2低減にむけてEV消防車が稼働する未来は近いかもしれません。

このように、EVパトカーをはじめ、EV消防車とEV救急車など、環境に配慮したゼロエミッション車の普及に向けて、自治体や官公庁の工夫と取り組みが行われています。

今後もEV化の流れは続くとみられます。