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「自動運転の目」LIDARの需要増加 | 特殊車両ならトノックス

1.拡大中の技術「LIDAR」とは

自動運転技術の急速な進化とともに、「自動運転の目」と呼ばれるLiDARの需要が拡大しています。ある市場調査会社によると、LiDARやレーザーによる計測技術の市場規模が2017年時の約25億円から、2030年には約4,959億円までに膨らむとの予測があります。

拡大中の技術「LIDAR」とは拡大中の技術「LIDAR」とは


「LiDAR」とは、レーザー光を使って対象物までの距離と対象物の形や位置を測定する測距方式のことです。具体的には、レーザー光を発射し、反射した光を検出することで対象物との距離を計算するシステムです。LiDARの測定データは3次元空間上の点群として表現され、これによって高精度な地形や物体の形状を把握できます。

2.LIDARを活用した自動運転の技術

LiDARは「Light Detection And Ranging」の略で、レーザー光を照射しその反射光の情報をもとに対象物までの距離や対象物の形などを計測する技術です。自動車の自動運転を支援するシステムとして急速に普及しており、多く使われるミリ波(周波数帯30~300 GHzの非常に高い周波数の電波)レーダーによる計測よりも、高精度に人や障害物を検知することが可能になることから、自動運転実現に向けてさらなる性能アップが期待されています。

計測の精度が高いことから、これまでに航空測量や地形図作成などに使われてきましたが、最近では、ゴルフ場でも競技者が距離を測定するのに使用されるなど、決して新しい技術ではありません。

東京オリンピックの体操競技では演技の難易度を計測するのに導入されたり、スマートフォンやARのヘッドセットに搭載されたりするなど、自動車搭載用にとどまらず応用範囲が広がっています。


3.LIDARの普及・実用化に向けて

自動車の自動運転実現に向け、様々な技術開発が加速していますが、その中でも欠かせないのが「LIDAR」の技術です。

自動車が自動運転でスムーズに走行するためには、インプットされた目的地のGPSデータを起点に、交通ルールに従って道路上を確実にトレースし、交通信号や交通標識を正確に識別して走行することが必須となります。

自動運転車が道路上の他車や歩行者、障害物などを検知して減速、回避するために、より遠くの広い範囲までを把握し、かつスピーディーに精度を保持して機能することも重要です。
そういった要求に応え、自動車の周囲を監視し、歩行者や障害物などを検知するのがLiDARの技術です。


4.LIDAR一般普及化への課題

もともと「LiDAR」は飛行機に搭載して、上空から地上を測量して地形図を作成したり、宇宙分野で利用されたりしていました。このように、特定の用途で高精度な測距を行うために開発された電子部品は非常に高額です。搭載するコストが高いと、自動運転など一般用の様々な用途に展開することは困難です。

自動車に標準装備するには、光波の照射方向を上下左右に振って二次元で距離を計測し、その距離の差から三次元的に対象を把握する必要があります。
現状では、1台の自動車に計5台の「LiDAR」を搭載することで自動車の周囲360度の物理的な環境を計測できるようになっています。

「LiDAR」を搭載するための費用を一般市民が負担することを考えると、少しでも一台当たりのコストを下げる工夫や技術開発が求められます。

自動運転の実現には、走行状態を把握するだけでなく、道路周囲に構造物などを正確に地図データに反映することが不可欠ですから、そうした3Dデータの収集にも「LiDAR」が用いられています。

今後、高精度で個体識別が可能なタイプの「LiDAR」がさらに低コスト化することで、自動運転をはじめとする産業分野だけでなく、個人の日常生活にもさまざまな用途で「LiDAR」搭載機器が普及することが予想されます。