株式会社トノックス|神奈川県の特装車工場

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特装車・特殊車両業界の動向 | 特殊車両ならトノックス

1.特装車・特殊車両とは

特装車・特殊車両とは、消防車、救急車、高所作業車、除雪車等など、特殊な用途に向けた装備を持つ車両のことです。

車両は自動車メーカーによって生産されるシャシー(車台部分)と、架装メーカーによって生産される車体(架装部分)が組み合わされることで完成します。走行や運搬よりも作業機としての使用が主な目的であるため、車両の形状・構造は特殊なものが多いのが特徴です。消防車や救急車などの公共性のある車両の販売では、入札方式が採用されています。

企業を中心とした顧客が自動車販売会社へ特装車を発注した後、販売会社の指示に基づき顧客が求める車体を製造する架装メーカーへ、自動車メーカーからシャシーが搬入されます。その後、完成した特殊車両は、架装メーカーが販売会社を通じて顧客に納車するのが主な流れです。


2.特装車・特殊車両の市場動向

特装車は中小型のトラック・バス(車両総重量1.7トン超~2.5トン以下、3.5トン超~12トン以下)などを対象に、2011年9月から適用された排ガス規制「ポスト新長期規制」に伴う駆け込み需要で生産台数が増加しました。

「ポスト新長期規制」とは、トラックの排ガス中のNOx(窒素酸化物)を現行の最新車からさらに4割ほど低減する環境規制です。「平成28年排ガス規制」の別名で、2016年9月以降、メーカーはこれに対応した車しか造れなくなりました。
また、東日本大震災の復興需要により、ダンプカーやミキサー車、脱着コンテナ車などの復興関連特装車の販売台数が特に増加し、その後も同様の流れを引き継いでいます。

特装車のシャシーとなるトラックは2002年以降、「自動車NOx・PM法」をはじめとする排出ガス規制により、2007年頃まで代替特需が発生したため、特装車の生産台数も一時的に増加しました。

トラックに改造を加えた架装車の一つ「軌陸車」トラックに改造を加えた架装車の一つ「軌陸車」


「自動車NOx・PM法」とは、平成13年(2001年)6月に成立した、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法のことです。大気汚染、特に酸性雨の原因といわれる排ガス中のNOx総量の削減(半減)を狙いとして、環境省が中心となってまとめられました。
特装車の生産台数は、2003年度に最高の70,872台に達したものの、現在はその約78%の水準にとどまっています。2020年度の生産台数は前年度比9.3%減の55,128台、特殊車は同2.3%減の11,805台と、減少傾向にあります。

この原因のひとつには、台数規模の大きい特装車両、バン型車の需要が落ち着いてきたことが想定されます。
日本自動車車体工業会によると、ダンプ車、トラックミキサー車、塵芥車などの特装車が同25.7%減の22,979台、車いす移動車、警察車、医療防疫車などの特種車が同5.5%減の3,700台となった模様。
平ボデートラックは同6.8%減の7,363台、車種別の構成台数で比率の高いバンは同15.9%減の34,671台となりました。物流業界で需要が継続しているトレーラーは同9.3%減の4,270台で、いずれも減少しています。
中でも、大中型バスは新型コロナウイルスの影響により同58.9%減の942台と大幅に減少しました。大中型バスは観光バスが多く、需要が激減したことで生産台数が大幅に減少したと想定されます。
メーカーからの受託生産などでは、シャシーメーカー標準荷台トラックが同26.1%減の5,524台、コミューター・マイクロバスが同60.4%減の19,266台、乗・商用小型・軽が同21.5%減の819,413台となりました。


3.コロナ後の特装車の市場動向

特殊車両市場は、主に新型コロナウイルスのパンデミックにより輸送活動が停止し、物流が混乱したため2020年に減少に転じました。しかし、封鎖措置が解除された後、世界中の統治機関がヘルスケア施設や救急サービス、および関連機器に多額の投資を開始したため、市場は大きな成長を見せました。

疫病やパンデミック、交通事故、家庭や産業での負傷、政府主催のヘルスケアプログラムの増加により、医療・ヘルスケア用特殊車両の需要は高まっており、血液がんなどの疾病が血液の需要を高め、献血車の市場成長を後押ししています。
多くの国で、救急車の需要増は人口増を上回り、いくつかの国では健康上の緊急事態に対応するために高度医療車両を使用しています。

自律走行技術の発展に伴い、近い将来、救急医療車両に半自律走行支援技術が搭載されることが予想されます。法執行機関やヘルスケア施設に対する世界の政府支出の増加は、特殊車両の需要を促進しています。日本で使用されている特殊車両の数は、2012年の約164万台から、2022年は177万台に増加の兆しを見せています。