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特装車の最新情報2023その④ 新・港湾情報システムCONPAS | 特殊車両ならトノックス

1.特装車の最新情報2023

この記事では「特装車の最新情報2023年」と題し、特装車にまつわる国交省の動向や最新のテクノロジー情報をピックアップしていきます。

その④では、国土交通省関東地方整備局が、2022年7月13日より試験運用を開始した「新・港湾情報システムCONPAS(コンパス)」についてご紹介します。

2.「CONPAS(コンパス)」の試験運用

国土交通省関東地方整備局は、横浜港・本牧ふ頭※1D1コンテナターミナルで、情報通信技術を活用した新・港湾情報システム「CONPAS(コンパス)」の試験運用を開始しました。

「トレーラの特定時間帯への集中を分散・平準化させることを実現するための運用方法の確立」を目的とし、深刻化するターミナルゲート前の混雑について、その課題解決を期待したものです。

試験運用は、土日祝を除いた2022年7月13日〜27日まで行われました。
国土交通省関東地方整備局では横浜港での運用結果を踏まえ、他港への拡大運用も実施しています。

横浜港・本牧埠頭D突堤(Wikipediaより)横浜港・本牧埠頭D突堤(Wikipediaより)


※1 横浜港・本牧ふ頭
本牧埠頭(ほんもくふとう)は、日本有数の国際貿易港である横浜港の埠頭のひとつです。コンテナターミナルとしては横浜港内で最大級の規模と施設を有しています。


3.コンテナターミナルの課題

コンテナターミナルでは、コンテナ船の大型化に伴って1回の寄港あたりの積み降ろしコンテナ数が増加しています。大型コンテナ船の寄港前後のトレーラ到着台数は増加の一途を辿り、ゲート前混雑が深刻化しています。
また、ヤード内に滞留するコンテナ数の増加は、荷操り回数の増加につながるため、ヤード内の荷役効率性の低下もまた、ゲート前混雑の一因となっています。

こうした状況を改善するには、ゲート前での処理能力や作業効率、ヤード内荷役能力とスピードを向上させ、ゲート前待機時間の削減を図る必要があります。

この課題を踏まえ、コンテナターミナルの生産性を大幅に向上させる「ヒトを支援するAIターミナル」の実現に向けた取り組みの一環として、国土交通省が開発したのが新・港湾情報システム「CONPAS(コンパス)」です。

4.「CONPAS(コンパス)」とは

「CONPAS(コンパス)」という名称は「Container Fast Pass」のイニシャルをとったものです。「CONPAS(コンパス)」は、情報通信(IT)技術の活用により、ゲート手続きやヤード内荷役作業の効率化を実現するシステムです。
現在実装されている代表的な機能に、次の4つが挙げられます。

●IC付身分証(PSカード)活用
●搬入情報の事前照合
●搬出入予約制度
●車両接近・予約情報の活用

このうちの「搬出入予約制度」は、ゲートの処理能力に応じた予約枠を設定し、半出入を予約制にすることで管理をスムーズにします。陸運事業者が事前に空いている予約枠に予約を行い、トレーラの到着の集中を抑制。到着時間の平準化を図り、総待機時間の短縮を図るものです。

横浜港の試験運用では、搬入トレーラの14%が「CONPAS(コンパス)」で予約を行なった場合、ゲート前総待機時間が約1割削減される効果があったそうです。

このほか、搬出入時の票提示等を省略し、PSカードのタッチのみで入場受付を行なうPSカード活用では、入場受付にかかる時間を約2割削減、車両接近情報・予約情報の活用では、15分程度の荷操り準備時間を確保できるなど、さまざまな効果が上がっています。

国交省のCONPASポータルサイト「Cyber Port(サイバーポート)・CONPAS(コンパス)」では、CONPAS導入前の搬出時間平均10分、搬入時間平均30分が、CONPAS導入後は搬出入とも0分になり、こうした待機時間解消による経済効果は年間約10億円に見込まれるとの試算データも掲載されています。

5.「CONPAS(コンパス)」とは

国土交通省関東地方整備局では、国際コンテナ戦略港湾・京浜港(東京港、川崎港、横浜港)の国際競争力強化を図るため、コンテナ輸送の効率化、生産性向上に向けた取り組みを推進しています。

横浜港では、2017年度より港湾関係者で構成する「ICTを活用した横浜港コンテナ輸送効率化検討会」を定期的に開催し、2020年度までの「CONPAS(コンパス)」本格運用開始を目指して試験運用を実施してきました。
南本牧地区と本牧地区で2017年より始まった試験運用は、これまで計8回実施され、2021年4月には、南本牧ふ頭コンテナターミナルでの本格運用をスタート。

本牧ふ頭D1コンテナターミナルでの試験運用は、南本牧ふ頭コンテナターミナルに続くもので、トレーラの特定時間帯への集中を分散・平準化させることを実現するための運用方法を確立するのが目的でした。

その後、2022年8月より大井1・2号ターミナル、翌月より大井3・4号ターミナルでも「コンテナ搬出入予約制事業」が実施され、2023年2月には大阪港DICT において初となる輸出コンテナ及び輸入コンテナを対象とした第3回・第4回「CONPAS(コンパス)」試験運用がそれぞれ実施されました。