自動車産業における「モビリティ」とは | 特殊車両ならトノックス
1.「モビリティ」の定義
近年、自動車産業、交通関連業界において「モビリティ」という言葉をよく耳にするようになりましたが、「モビリティ」とはどういった意味で使われているのでしょうか?
「モビリティ」は英語で「Mobility」、「モバイル=Mobile(形容詞)」の名詞形です。物理的な動きやすさ・可動性、社会階層や集団の移動性・流動性、軍事における機動性、などという意味があります。
「モバイル」という言葉はすでに一般的で広く使われており、日常生活でも馴染みがあるかと思います。「モバイル」とは、動ける・移動型の・機動性のある・流動性がある、などを意味し、携帯電話やパソコンなどでも「モバイルバッテリー」「モバイルPC」「モバイルルーター」などといった言葉でよく利用され、「モバイル=携帯端末」のような意味で使われることが多くなりましたね。
「モビリティ」は、近年自動車メーカーをはじめとする交通関連業界で、移動や輸送に結び付けて使用されることが多く、「モビリティ」といえば人の移動やモノの輸送などを指すことが多くなっています。
2.自動車業界におけるモビリティ分野
自動車業界における「モビリティ分野」は、一般的に自家用車やバス、トラックなどの各種自動車が人やモノを運ぶこと中心とした交通関連業界を指します。それら車両が移動するための象徴的存在であることからそう呼ぶようになったのでしょう。
IoT技術の普及で自動車なども常にインターネットに接続される時代が到来し、サービスの多様化が進み始めた今、移動や輸送に対する概念や価値観などが転換期を迎えていると言えます。
自家用車やバス、タクシー、トラック、鉄道など、従来独立して存在していた各事業の垣根が無くなりつつあり、「移動」そのものに着眼した事業展開が求められるようになってきています。このため、「モビリティ分野」においては、自動車業界を未来的視野と国際市場を想定した広い視野で捉えることが求められています。
農産物直売所「ただいまーと」内に設けられた三条市デマンド交通「ひめさゆり」の停留所(2021年9月)(Wikipediaより)
3.モビリティの様々な進化
「モビリティ」は、自家用車やバス、タクシー、トラックなどの自動車全般、オートバイや自転車、原動機付自転車などの二輪車、鉄道、シニアカーなど、移動や輸送に関わるあらゆる手段・手法が含まれます。
近年では、電動キックボードなどの新たな移動手段が登場したり、1人乗りのコンパクトなパーソナルモビリティ(Personal Mobility)などでも、車道走行タイプや軽車両と同等のタイプなど、さまざまな種類が登場しており、今後もますます多様化が進むと思われます。
また、ドローンや「空飛ぶクルマ(eVTOL、イーブイトール、英:Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft、日本語: 電動垂直離着陸機)」なども、世界中で研究開発や実証事業が実施されており、「エアモビリティ」として注目を集めています。
このほか、自動運転機能を搭載した各種ロボットもモビリティにおける新領域として普及が進められています。自動宅配ロボットをはじめ、警備や掃除といった移動・輸送を伴わない人型ロボットなど、これまで生身の人間が移動し担っていた業務を代替し、新しい移動形態を創出することから、大枠では一種の「モビリティ」と言えるでしょう。
4.モビリティとサービス
既に私たちの生活に根付いている「モビリティサービス」の代表例として、バスやタクシー、鉄道などの公共交通、レンタカーなどが挙げられます。移動に関連するサービス全般が「モビリティサービス」に該当しますので、こうした昔からあるサービスも、もちろん「モビリティサービス」に含まれています。
近年では、車両のシェアリングサービスが徐々に広がりを見せており、カーシェアやサイクルシェアなどの普及が拡大しています。今後、電動キックボードなどの新しい「モビリティ」の形が、次々とシェアサービス化されていくと考えられます。
また、海外では自家用車をシェアする「ライドシェア市場」が急成長を遂げました。「ライドシェア市場」の多くは、目的地が同一方向の利用者が乗車する乗り合いサービスと、白タクのように自家用車を活用するサービスに大別できます。このほか、AIを活用したオンデマンドバスなどのサービスもどんどん本格的な社会実験が進められています
9.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は自動車産業における「モビリティ」について、ご紹介いたしました。
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