自動運転トラックが物流業界にもたらすメリット | 特殊車両ならトノックス
1.高まり続ける物流需要
商用車のための国際モーターショーにて
リモートワーク、ネット通販の普及などにより高まり続ける物流需要を背景に、世界的にドライバー不足が深刻化しています。
また、「労働者が多様な働き方を選択できる社会」の実現を目指す目的で、労働基準法などの関連法を改正し、2018年に公布された『働き方改革関連法』に伴う「2024年問題」が差し迫っています。ドライバーの勤務環境改善と安全確保のための整備が求められており、それらの課題克服は急務となっています。
そうした問題の救世主として期待されているのが自動運転技術です。ADAS(先進運転支援システム)導入による運転負担軽減や隊列走行、自動運転レベル4(高度運転自動化)による無人化で現状を打破すると共に、新しい物流システムの早期構築が求められているのです。
社会にあらゆる変革をもたらす自動運転技術。
その中でも、自動運転トラックが物流業界にどのようなメリットをもたらすのか、2022年時点における自動運転トラックの開発状況を鑑みながら、ご紹介したいと思います。
2.自動運転トラックがもたらすメリット
ドライバー不足の解消
EC(電子商取引=インターネット上で交わされる商取引)業者の台頭によりネットショップが激増し、個人の輸送需要は増加の一途をたどっています。
また、EC業者間の「送料無料」サービス合戦のしわ寄せも物流業界を直撃し、ドライバーを取り巻く環境は、一時的な悪化傾向を見せていました。その影響で、ドライバー不足は深刻化・慢性化し、物流業界は大きな変革を迫られたのです。
その結果、注目されたのが自動運転技術を活用した輸送です。無人運転の導入はドライバー不足の解消に直結します。
長距離トラックの場合、多くはレベル3や手動走行併用のレベル4で、例えば高速道路のみ自動運転を可能にするといった形で社会実装が進むものと思われます。
現在実証が進められている後続車無人隊列走行も、先頭を走る1人のドライバーにより大量の輸送が可能となる技術として、早期実現に期待が寄せられています。
経済産業省と国土交通省は2021年3月5日、新東名高速道路の一部区間で、後続車運転席を無人とした状態での「後続車無人隊列走行」に成功したと発表しました。自動車運転技術の開発は、官民一体となって直実に進められているようです。
安全性の向上
現在の日本で販売されている自動車の大半は自動運転レベル2のものが導入されています。レベル2とはドライバーが主体で、部分的にアクセルやブレーキの操作をシステムが制御、ハンドル操作をサポートする段階です。「運転支援車」とも呼ばれ、高速道路でのスピードをセットした走行などがこれにあたり、トラックでも自動運転レベル2の導入が既にスタートしています。
大きく重たいトラックの事故は大事故につながる可能性が高く、安全性の確保が最重要課題となっていますが、自動運転技術を導入することで事故の防止や被害拡大の抑制を図ることができます。
トラックの自動運転はサイズや重量の関係で、より高度な技術を要するため、一般乗用車より導入が遅れていますが、自動運転レベル2(部分運転自動化)に相当するADAS技術(英:Advanced Driver-Assistance Systems=先進運転支援システム)を搭載したトラックの市場化が始まり、事故抑制効果に期待が持たれています。
また、後続車有人隊列走行の実現に向けて、定速走行・車間距離制御装置(ACC)と車線維持支援装置(LKA)を組み合わせた技術開発・商品化も進んでいるようです。
配送の効率化
自動運転技術によって、トラックを完全に無人化することで1台当たりの稼働時間を伸ばすことができるほか、走行速度などは一定の環境下でシステマティックに運行されるため、輸送時間も安定した予測ができます。
また、自動運転技術とともに車両運行管理システムの開発導入も飛躍的に進められる予定で、全体の運行管理・計画なども立てやすくなると予想されます。
自動運行と倉庫業の自動化などを組み合わせることで、コスト削減や業務の効率化はいっそう進むでしょう。
環境面への貢献
これまで、事業用トラックの大半はディーゼル車で、排気ガスによるCO2(二酸化炭素)により、温暖化など環境への悪影響が大きく騒がれていました。
近年クリーンディーゼルなど、低炭素型ディーゼルトラックの比率が高まっていると同時に、自動運転の導入でこれまでよりも燃費の良い走行が可能になりました。
さらに自動運転と相性の良い電気自動車が開発・導入されれば、その効果はいっそう高まるものとみられています。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「自動運転トラックが無流業界にもたらすメリット」と題し、物流業界における自動運転技術がもたらすメリットについてご紹介いたしました。
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