鉄道工事における特殊車両「軌陸車」| 特殊車両ならトノックス
1.軌陸車の役割
軌陸車は、安全に効率よく鉄道作業を行うための特殊車両のひとつで、線路(軌道)と道路の両方を走ることのできる車両です。一般的に、鉄道工事または作業に使用する機械を搭載しており、保守用車に含まれます。
軌陸車は作業の際、現場付近の踏切付近で待機して、線路閉鎖後に道路から線路に入り、迅速に対応することが可能です。終電から始発までわずかな時間しかない大都市の鉄道会社など、作業時間が限られる路線で多く活躍しています。
車体はトラックなどをベースに、軌道走行用のホイールなどを装備したものが多く、自動車としての区分は特種用途自動車(いわゆる8ナンバー)に分類されます。
ラフテレーンクレーン(英:rough terrain crane、自走式クレーンの一種で走行とクレーン操作が1つの運転席で行える特徴を持つ大型特殊自動車)に軌道走行装置を取り付けたものは、大型特殊自動車(9ナンバー)に分類されます。
2.樹陸車の種類
道路を走るトラックにはタイヤが付いていますが、軌陸車は、そのトラックが線路を走れるよう前後のタイヤ付近に鉄輪が装備され、油圧によりホイール(鉄輪)が出てくる仕組みとなっています。
ホイール(鉄輪)の駆動方法はタイヤとの摩擦によって鉄輪を回すものや、エンジンから動力を直接取るものや、モーターを別に装備し駆動させるものがあります。
一般的に軌陸車は、道路を走るより軌道上を走る方が速度は遅いとされています。軌線路上を走っている時にはハンドル操作ができないので、方向転換をする場合には油圧式の支柱を降ろし、車体を回転させる転車台機能が備わっている車種もあります。
軌陸車には、三転ダンプ、大型自積載クレーン、トラッククレーン、高所作業車(鉄道用旋回作業台)、パワーゲート付きトラックなどの種類があります。
3.高所作業車
軌陸車のうち、高所作業車は大きく分けて「鉄道用展開作業台」と「鉄道用バケット式高所作業車」の2種類があります。
「鉄道用展開作業台」は数百キロの耐荷重があり、軌道面から約5Mの高さまで上がるクレーンを装備しています。運転席に人が乗っていなくても荷台から遠隔操作で車を走らせることができる車種もあり、作業員が少人数でも高所での作業と移動が可能です。
「鉄道用バケット式高所作業車」は、街でもよく見かける電線工事用の高所作業車と基本的同じ形をしております。地上から最大9mの高さ、半径7.5mの広範囲にわたって高所での作業を可能にしています。
いずれの高所作業車も鉄道の架線の保守点検に欠かせない軌陸車ですが、主に終電後に使われる事が多いので、その作業風景を目にできる機会は稀となっています。
軌陸車についてはこちらの記事もぜひご参照ください。
▼ウニモグと軌陸車①
https://tonox.jp/20210716/blog108/
▼ウニモグと軌陸車②
https://tonox.jp/20210723/blog109/
▼軌陸車とは?価格と線路作業用ダンプとしてのニーズ
https://tonox.jp/20190311/blog04/
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は今回は、軌陸車の役割、種類、高所作業車についてご紹介いたしました。
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