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ウニモグと軌陸車① | 特殊車両ならトノックス

1.軌陸車とは

東京急行電鉄電気部所有の軌陸車東京急行電鉄電気部所有の軌陸車


軌陸車とは、線路等の工事または作業に使用する機械を装備した、軌道及び一般道路を走行できる車両をいい、保守用車に含まれます。

通常の保線用鉄道車両(安全・安定輸送を実現するために、鉄道のさまざまな現場で設備の点検や保守工事を行うための電車)は、終列車が通過して線路閉鎖が行われてから車庫を出発し、現場への移動をするという時間ロスを生じます。

しかし、軌陸車であれば予め現場付近の踏切横などの脇で待機し、線路閉鎖後に線路へと入線して最小限の移動で迅速に作業を開始することが可能です。この特性から、特に作業時間が限られる大都市での鉄道会社などで重宝されています。


2.自動車としての区分

軌陸車の基本的な形態は、トラックなどをベースに軌道走行用の装備を付けたものです。軌道への乗り入れは保線部門敷地の専用スロープや踏切からなされます。

自動車としての区分は「特種用途自動車(いわゆる8ナンバー)」に分類され、ラフテレーンクレーンに軌道走行装置を取り付けたものは、大型特殊自動車(9ナンバー)に分類されます。


3.走行の仕組み

道路上では一般の自動車として走行が可能で、線路上では油圧などでレール上に鉄輪を降ろして走行します。線路上を走るときにエンジンの動力をレールに伝える主な手段としては以下の2つです。

●タイヤ駆動
軌道と道路の双方を走行できるよう改造されたバス車両(デュアル・モード・ビークル)など後輪ゴムタイヤを鉄輪と同時にレール面に接触させて推進する方式
●鉄輪駆動
タイヤから摩擦車の原理で動力を伝える方式、あるいは油圧モーターで直接駆動する方式

軌道上では道路上ほどの走行性能が得られない場合が多く、保線などの作業用車両では速度は問題にならないとされています。


4.自動車検査証の問題

軌道走行装備を施して重量の増した車両が、自動車検査証の車両総重量を超過している事例が2005年頃に問題視されました。
調査の結果、測定した車両の4割で重量が超過しており、調査対象となったメーカー29社中24社で重量超過が確認される事態となったのです。特にうち11社については、転車台を取り外す、または模擬転車台を取り付けるなどの方法で、自動車検査証(予備検査証)を不正に取得していました。不正行為を行ったメーカーには国土交通省より警告書の交付が行われ、それ以外の重量超過が確認されたメーカー及び鉄道事業者等の自動車使用者に対しても指導が行われました。

公道を走行できない物として、軌道走行装置を備えたバックホウ(油圧ショベルの中でも、ショベルをオペレータ側向きに取り付けたもの。別名ドラグショベル。)などがあります。

軌陸車の左右鉄輪間が導通している場合は、軌道回路により軌陸車を検知することが可能です。しかし、軌陸車自体の重量が軽いため接触不良を起こし、確実な方法とは言えません。
いっぽう、左右鉄輪間が絶縁されているならば軌道回路により検知されないので踏切等での誤作動は避けられますが、作業中は線路閉鎖が必須となります。一般に保線作業は営業運転されていない時間(終電から始発電車までの間)に行われるため、線路を閉鎖し信号システムに影響を与えないように、左右鉄輪間を絶縁して使用されることが多いようです。


5.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、軌陸車とはどんな車両かについての基本的な知識をご紹介しました。次回は、ウニモグの軌陸車とその魅力についてご紹介いたします。

トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績があり、企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。

当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。
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