電着塗装とその他の塗装との違い | 特殊車両ならトノックス
1.電着塗装(デンチャクトソウ)とは
電着塗装(デンチャクトソウ)とは、対象物と塗料に電気をかけることで電極の作用を利用して、複雑な形状の被塗物に均一な塗料の皮膜を形成させる塗装方法です。静電塗装・粉体塗装・紫外線硬化塗装などの塗装方法も、大きなくくりでは全て電着塗装といえます。
電着塗装の最大の特徴は、液体の塗料を貯めた浴槽に金属製の被塗物を浸して皮膜させることです。通称「ドブ漬け塗装」と言われます。
電着なので均一な皮膜ができますが、液体塗料なので皮膜の厚さは塗料の粘度などによって変化します。
水溶性ないし水分散性の塗料に被塗物を浸し、被塗物と塗料浴槽をそれぞれ電極として直流電流を流し、電極である被塗物に皮膜を固定させる方法です。
複雑な形状のものや、手作業では難しい場所も均一な厚さに塗装でき、塗料のロスが少なく塗装時間も短くすむなど、経済的かつ安全であるため、自動車ボディをはじめ電気機器部品などの塗装に広く利用されています。
2.電着塗装(デンチャクトソウ)の様々な種類
電着塗装には、「ドブ漬け塗装」と言われる方法が最も一般的ですが、その他にもいくつか電着塗装の種類に分類される塗装があります。
被塗物をプラス極、噴霧状にした塗料をマイナス極に帯電させて、電気的に塗料を被塗物に吸着させる方法を「静電塗装」と言います。工場における連続塗装の技術として用いられます。
静電塗装の特徴は、対象物に対し塗料をスプレー(霧)状にして吹き付けることです。作業を連続的に行えるため、工場内での大量生産に向いています。霧状にして噴霧する方法のため、厚い皮膜はつけられません。
●粉体塗装
粉体焼付け塗装とも呼ばれ、粉末状の樹脂(ポリエステル等)からなる塗料を、静電気により被塗物に付着させた後、加熱溶解して塗膜を形成する塗装方法です。静電塗装や焼付け塗装に似ていますが、塗料が固体の粉末であることが大きな特徴です。塗膜の硬化は冷却によるもので、熱硬化反応を用いません。液体塗料と違い、乾燥や焼き付けの際、水分や溶剤が気化することが無いため厚く丈夫な塗膜を作れます。
●静電粉体塗装
静電塗装と粉体塗装、それぞれの良い特徴を組み合わせた塗装方法です。
静電塗装は液体塗料を噴霧しますが、静電粉体塗装では粉末状の樹脂を噴霧し、静電気の力で均一に厚く丈夫な塗膜を形成することができます。
通常、液体塗料を用いた塗装に見られる厚さは平均約35μなのに対し、粉体塗料は平均約60μの厚さの皮膜を付けることができます。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は電極塗装(デンキョクトソウ)と、電極塗装に関わるその他の塗装方法ついてご紹介いたしました。
トノックスは、以前より電極塗装技術を用いて特装車を製造、その他に計測解析業務・レストアなども行なっている製造会社です。
個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績がございます。企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。
当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。
ご相談お待ちしております。