特殊車両とはどんな車両? | 特殊車両ならトノックス
1.特殊車両とは?
特装車両とは特定の用途や使用目的に合わせて自動車に部品や装置を取り付け、ボディなどに改造を加えた自動車のことを指します。
一般道路は、厳しい構造基準により施工されています。重量の重たい車両が無制限に通行すると、ダメージの蓄積によって劣化が進行し、陥没や損傷の原因となってしまいます。また、特装車のような大きな車両が事故を起こした場合には、大惨事になる可能性も高まります。
そのため、道路法では道路の安全を維持し、交通の危険を防ぐため、道路を通行する車両の大きさ・重量の最高限度を「一般的制限値」として定めています。
この各種制限を1つでもオーバーした場合は特殊車両となり、特車申請が必要になります。
特殊車両というと、何か特殊な用途に使用する車両をイメージされるかもしれませんが、あくまでこの一般的制限値を超えるかどうかが、特殊車両の判断基準になります。

2.特殊車両の具体的な種類
特殊車両にはさまざまな種類がありますが、その中でも代表的なものがいくつかあります。
単車
一般的に「単車」というと、二輪バイクのことを指しますが、特殊車両通行許可証においての「単車」とは、トラックなど単体で連結されていない車両のことをさします。建設用のトラッククレーンが単車の代表格で、実務では長さ・総重量が一般的制限値を超えて特殊車両となるケースが多いです。
車検証に記載された重量で走行しなければならない決まりになっています。
特例5車種
「特例5車種」というのは物流用の車両です。分解可能な物品を運搬するための代表格で。先ほどの「単車」とは異なる「連結車」です。「連結車」とは、トラクター部(駆動部)とトレーラー部(積載部)が切り離し可能である構造のことです。
1台のトラクターに様々なトレーラーを連結することにより、幅広い物品の輸送が可能になります。
①バン型セミトレーラ
汎用性の高いトレーラーで、主に運送業者が使用します。
②タンク型セミトレーラ
一般的に、ガソリンなど液体物の輸送に利用されます。
③幌枠型セミトレーラ
幌を張った状態で走行するトレーラーです。
④コンテナ用セミトレーラー
コンテナ運送用のトレーラーです。(海上コンテナ用セミトレーラーとは区別されます)
⑤自動車運搬用セミトレーラー
自動車を積載した場合には、車検証の長さより寸法が大きくなるため、注意が必要な車種です。一般的には、トラクター部分とトレーラー部分を連結すると長さが12mを超えてしまうため、おのずと特車申請が必要な特殊車両に該当します。
また、「特例5車種」は他の車両に比べて、総重量の規制が緩やかに設定されています。通常であれば、総重量が20tを超えると特殊車両になりますが、総重量が緩和されているため、例えば最遠軸距が8.5mの車両の総重量が24.5tの場合(その他一般的制限値は超えていない前提)、高速自動車国道・重さ指定道路では、特車申請が不要となり、その他一般道路では、特車申請が必要となります。
追加3車種
「追加3車種」も「特例5車種」と同様、分解可能な物品を運搬する物流用の車両です。貨物の落下を防止するために、十分な強度のあおりや固縛装置を装備していなければなりません。
①あおり型セミトレーラー
②スタンション型セミトレーラー
③船底型セミトレーラー タイプⅠ・船底型セミトレーラー タイプⅡ
上記の「追加3車種」と「特例5車種」をまとめて「特例8車種」と表現することもあります。「追加3車種」に関しては、総重量の特例はありませんが、実際の特車申請時には認証トラクターと連結することにより軸重緩和特例が受けられる場合があります。
貨物が特殊な車両
最後に、下記のように特殊な貨物を運搬する車種があります。
①海上コンテナ用セミトレーラー
海上国際コンテナに関しては、開封できないように封印された状態で運搬され、分解することができないため、貨物が特殊な車両に分類されます。
②重量物運搬用セミトレーラー
分解不可で、幅広かつ重量の重たい貨物を運搬する場合に使用されます。
③ポールトレーラー
長くて分解できないようなものを運搬するのに使用します。