自動運転の最前線2022年③ | 特殊車両ならトノックス
1.運転操作から完全に解放される未来の車
自動運転レベルの最上位に位置付けられる「レベル5」
日本では2020年に、道路交通法などの改正で自動運転レベル3が解禁されましたが、あくまで人が最終的な運転の責任を負う形となっています。完全に運転の主体がシステム側に移る自動運転レベル4と自動運転レベル5の実現のためには、さらなる法整備が必要となるでしょう。
また国際的には、現在、日本が批准している「ジュネーブ道路交通条約」において、『自動車の運転にはドライバーが乗車しコントロールすること』と規定されており、ドライバー不在の自動運転は原則認められていません。こうした国際的規定の見直しも必要となっています。
今回は、2022年9月時点の情報をもとに、ドライバーが運転操作から完全に解放される未来の車の形態である、レベル5についての最前線をご紹介していきたいと思います。
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2.自動運転の最終形であるレベル5
レベル4(高度運転自動化)以上では、運転操作は完全にシステム側が担うことになっていますが、では、レベル5との差は何かといえば、完全無人での走行が一定のエリアに限られるかどうかになります。つまり、レベル4とレベル5はODD(運行設計領域)の違いが大きいと言えるでしょう。
また、自動運転レベル4までは自動車にはアクセルとブレーキ、そしてハンドルが必要でした。特定の地域を除けば人間が運転に関与する必要があるからです。しかし、レベル5はどこでもシステムが完全に運転操作を担うことになるため、人間のために用意された物理的なアクセルとブレーキ、ハンドルは必要なくなります。運転の主体が完全にシステムに移行することから、ドライバーの操作は一切不要になるのです。
自由な空間で自由な移動を楽しめる「自動運転車」の誕生は、モビリティ(人やモノを空間的に移動させる能力)に対する考え方を一変させることでしょう。モビリティ業界に「100年に一度の大変革」をもたらすと言われる自動運転技術分野において、その最終形と言われるのが「自動運転レベル5(完全運転自動化)」です。
実用化される頃には、社会における車と人の関係、生活様式、交通環境などは、今とは大きく異なったものになっていることでしょう。
3.レベル5の実現はいつ頃?
レベル5の実現時期について、国レベルで明確な目標を掲げている例は少ないのが実状ですが、欧州やアメリカ、中国などでは、大まかに2030年代を目安に実現を目指しているケースが多く見られます。
日本においては、2025年以降に自家用車、物流サービス、移動サービスの全てにおいてレベル4を達成・実用化した後、実証を重ねながら対象範囲を徐々に拡大していくことが想定されています。
国外と同じく、本格的な実現は2030年代になるものと思われますが、大前提として、インフラ面で自動運転レベル5の車両の走行を前提とした交通環境の構築が必要となります。通信環境を整えるITS※インフラの整備や、センサーが検知できる標識や車線などの標準化、ダイナミックマップ※の本格的な運用なども欠かせません。
環境条件を満たすための法的整備からインフラ整備、車両の普及拡大まで、課題はまだ多くあり、高性能な自動運転車の開発だけではレベル5は実現しないことがわかります。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「自動運転の最前線2022年③」と題して、運転自動化の最終段階であるレベル5についてご紹介いたしました。
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