米中の『自動運転』技術開発における競争④ | 特殊車両ならトノックス
1.新型コロナウイルス流行の自動運転技術への影響
2019年12月初旬に、中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから、わずか数カ月ほどの間にパンデミックと言われる世界的な流行となった、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。
その新型コロナウイルス流行の影響で、テスト走行の進捗に米中で差が出始めているといいます。
2.コロナによるテスト走行への影響
新型コロナウイルスの流行によって、影響が出ているテスト走行の進捗について、米中の近況を比較してみましょう。
米国では、新型コロナウイルスの流行によって市街地でのテスト走行が停止されるケースが相次いだ模様です。「Waymo(ウェイモ)」のような大手企業では、独自の施設でテスト走行を進めているようですが、中国のように市街地の走行データを集めることは難しくなっている状況です。
一方、中国では、コロナ禍においてもこれまでと変わらず、北京や上海、広州など、多くの都市でレベル4※のテスト走行を行っており、報道によれば市内を走る車両の20%が自動運転車になっている都市がいくつもあると伝えられています。
新型コロナウイルスの感染拡大抑制に成功しているだけに、ウイルスの影響はあまり受けずにテスト走行が出来ているようです。
3.テスト走行時の操作介入頻度
テスト走行時の「操作介入頻度」についても、比較してみましょう。
「操作介入頻度」とは、自動運転車の走行試験において、ドライバーによる運転介入が行われる頻度のことです。「操作介入頻度」は、一般的にはシステムによる運転制御が困難または不適切な場合に行われるため、運転操作への介入が少ないほど自動運転技術としての完成度が高いと仮定できます。
米調査会社Navigant Researchは2020年、自動運転システムベンダー企業ランキングを発表しました。同調査による順位は以下の通りとなっています。
2位:Ford(アメリカ)
3位:GM Cruise(アメリカ)
4位:百度(中国)
5位:Intel・Mobileye(オランダ)
1位のWaymoをはじめ、GM Cruiseや百度は、すでに自動運転タクシー実用化に向けた取り組みを具体化している企業です。2位のFordは、GoogleとUberの自動運転プログラムのベテランであるArgo AIと共同戦線を張り、順調に開発を進めている印象です。
一方、2020年の三井住友DSアセットマネジメントが作成した「テスト走行での操作介入頻度の低さ」を比較した資料によると、以下のように中国が圧倒的に強くなっていることがわかります。
2位:Waymo(アメリカ)
3位:GM Cruise(アメリカ)
4位:Auto X(中国)
5位:Pony.ai(中国)
コロナ禍においてもこれまでと変わらず大都市での自動運転走行テストをおこなってきた中国「百度(バイドゥ)」が、アメリカ「Waymo(ウェイモ)」を抜いて1位をリードしている状態です。
コンサルティング世界大手のKPMGが、自動運転に対する各国の法規制やインフラ整備、テクノロジー開発の具合をスコア化、総合評価し、自動運転実現に向けた各要素を国別に指数化した「自動運転車対応指数(2020年版)」によると、以下の順となっています。
2位:オランダ(同1位)
3位:ノルウェー(同3位)
4位:米国(同4位)
5位:フィンランド(同6位)
シンガポールは、政策と法律で1位、テクノロジー11位、インフラ5位、受容性1位で総合1位に評価されたようです。「政策と法律」では、自動運転に対する規制や政府出資の実証実験、専門機関、政府の将来の広報性、変化に対する政府の対応性などで高い評価を受け、「受容性」では、実証エリアの居住人口が突出して多いことが決め手となりました。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「米中の『自動運転』技術開発における競争④」、新型コロナウイルス流行の自動運転技術への影響、コロナによるテスト走行への影響、自動運転システムベンダー企業・テスト走行時の操作介入頻度・自動運転車対応指数のランキングについてご紹介いたしました。
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