ウニモグ開発の起源と進化 | 特殊車両ならトノックス
1.多目的作業用自動車としてのウニモグ
「ウニモグ」は、メルセデス・ベンツのブランドで高級乗用車の開発と製造も手がけているダイムラー社が開発した多目的作業用自動車のことです。メルセデス・ベンツという押しも押されもせぬ世界的なブランドを持つダイムラーが「ウニモグ」のような特殊車両を開発した背景には、第2次世界大戦で敗戦国となったドイツの国内の状況が関係しています。
「ウニモグ」の開発が開始されたのは、第2次世界大戦が終結して間もない1945(昭和20)年秋のことです。
当時ドイツを占領していたアメリカをはじめとする連合国は、ドイツが再び軍事大国となることを阻止するため、ドイツの重工業を方向転換させ、徹底的に農業国として再生させようと自動車の新規開発と生産に対しても厳しい制限を設けました。
そうしたなか、ダイムラーの前身であったダイムラー・ベンツは、農業用のトラクターを開発するという名目で、連合軍から「ウニモグ」の製造開発の許可を得ることに成功しました。
そのため、高いオフロードの走行能力と、様々な仕事に対応できる能力を備えた農業用トラクターという大義名分を死守しながら、「ウニモグ」は一般的なトラックとはかけ離れた車両に進化したというわけです。
2.軍事用にも活用されているウニモグ
高いオフロード走行性能と多用途性能を兼ね備えた「ウニモグ」は軍用車両としても適しており、旧西ドイツでの軍事利用を皮切りに、多くの国や治安維持などに利用されています。
またドイツのクラウス・マッファイ・ヴェクマンが開発した「ディンゴ」など、「ウニモグ」のシャシー(フランス語の“chassis”を語源とし、枠組み、骨格、フレームの意味)に装甲化(弾丸を防ぐ鋼鉄板を車体・船体などに張り、過酷な環境で衝突や熱などから護るための加工)された車体を組み合わせた装甲車も、多数開発されています。
日本でも航空自衛隊が「山林多目的車」「射場多目的車」「土木用多目的車」などの名称でウニモグが導入され活躍しており、多様なウニモグ派生型や「レッドサラマンダー」などに代表される、非常に貴重な種類のウニモグも登場しています。
3.新世代のウニモグへ
従来モデルでは「U20」と呼ばれるコンパクトウニモグのほか、多目的作業型、高機動型の3シリーズを展開していましたが、新型ウニモグはこうしたバリエーション展開を継承しつつ、多目的型と高機動型の2シリーズに統合される傾向にあります。
高機動型は「U4023」と「U5023」の2モデルで、ともに230HPを発生する直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載しており、相違点としてはGVW(車両総重量)が「U4023」は10.3トン、「U5023」は14.5トンであるという点が大きいです。
新型ウニモグは、ヨーロッパにおいて2015年から実施されている次世代の環境規制、ユーロ6への対応がされており「クリーンでより高効率、そしてパワフルに」をコンセプトに、SCR(尿素触媒装置)・EGR(排ガス再循環装置)・DPF(黒煙除去フィルター)を組み合わせた、メルセデス・ベンツではおなじみのBLUEEFFICIENCYテクノロジーを装備しています。
一方、「最高の労働環境」にも配慮され、インパネ形状も丸みを帯びたデザインとなり乗用車と殆ど変わらない快適装備がされています。このように、新世代ウニモグは、環境性能をはじめ、全方位において地球や人体への優しさが進化しています。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ウニモグ開発の起源と進化をご紹介しました。
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