昭和の美しい国産車「シルビア」の歴史② | 特殊車両ならトノックス
1.歴代最多販売台数を記録した5代目シルビア
(ルーマニア、ティミショアラにて)
今もサーキットや競技で見かけることがある5代目シルビア(S13型)ですが、デビューは1988年のことで、今から30年以上前のことになります。
「アートフォースシルビア」というキャッチコピーは、1990年代を先取りするような曲面を多用した流麗なフォルム、エレガントなスタイルから名付けられました。このモデルは、若者たちのデートカーとして一躍人気モデルとなり、5代目シルビアはシルビア史上最多の販売台数を記録した大ヒット作となりました。
もちろん、そのビジュアルだけでなく、当時すでに少なくなっていたFR(後輪駆動)搭載による走りの良さ、足回りに贅沢な機構が採用されたことなどもヒットの大きな要因となりました。
2.3ナンバーボディを持つ6代目シルビア
5代目のS13型でデートカーやスポーツカーとして憧れの的となったシルビアは、11993年、6代目シルビア(S14型)ではフルモデルチェンジを行いました。このときの特徴は、全幅が1730mmと大きくなり、シルビア史上初めて「3ナンバー」となったことです。
初めて消費税が導入された1989年の税制改正で、自動車購入時の物品税が廃止されるなど、自動車税の見直しが行われました。それまで3ナンバー車は税が高く、一部の高級車や輸入車だけに限定され一般的ではないものでしたが、自動車税の税額が排気量のみで決まるように改正されたことで、3ナンバーボディを持つ車両が一般化するという流れがありました。
バブル期の勢いも手伝って、急速に3ナンバーボディを持つクルマが増え、シルビアもその流れに便乗したような結果です。
6代目シルビア(S14型)は5代目シルビア(S13型)のコンセプトを踏襲しつつも大型化し、より曲面的なフォルムへ進化し登場しました。当時はまだ3ナンバー=高級車というイメージが強かったことや、日産テラノや三菱パジェロを始めとしたRV(Recreational Vehicle =休暇を楽しむための車)ブームの到来もあり、S13型のようなヒットモデルとはなりませんでした。
3.5代目を彷彿とさせる7代目シルビア
現在のところ「最後のシルビア」となっているのが、1999年にデビューした7代目(S15型)の特徴は、再び5ナンバーボディに戻ったことと、ターボモデルのMTが5速から6速になったことなどが挙げられます。内装やデザインはスポーティさを強く打ち出し、5代目シルビア(S13型)で確固たるものとなった「走りのシルビア」のイメージが強調されたものだと言えます。
時代は、RVブームを経てミニバン(フルサイズバンより小さいワゴンタイプの車)の時代へと移行しつつあり、スポーツカーは、憧れの対象からニッチなファンのための車になっていました。
また、翌2000年にはさらに厳格化した新しい排ガス規制『平成12年排ガス規制』が施行され、規制をクリアできないクルマは2002年9月以降には販売できなくなったため、『平成12年排ガス規制』の施行に合わせ、同年8月には生産を終了しました。
これで、1965年から7代続いた「シルビア」の歴史に幕が降ろされることとなりました。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
生産終了から15年以上経ち、その存在も人々の記憶から徐々に忘れ去られていきそうですが、走行会やドリフト競技では今でも、現役で活躍するシルビアの姿を見ることができます。数はかなり少ないですが、スポーツカーとしてのニーズは未だに根強い支持を得ています。
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