昭和の美しい国産車「初代シルビア」 | 特殊車両ならトノックス
1.シルビアの誕生
1964年の第11回東京モーターショーにおいてダットサン・クーペ1500として参考出品された翌1965年に、初代シルビアは誕生しました。「シルビア」という名称は、ギリシャ神話の女神を冠したものです。狩りと貞節を司るギリシャの女神ディアナに仕えるニンフ(聖霊や妖精のこと)の名前で、その語源はラテン語で森を意味します。欧州の高級クーペ(座席が一列、ドアが二枚のスポーティーな乗用車)のような美しいスタイリングが特長でした。
他にも、トヨタがかつて販売していたミニバン「ガイア」、ホンダのステーションワゴン「オルティア」、マツダの小型・中型トラック「タイタン」、日産の小型・中型トラック「アトラス」など、ギリシア神話にちなんだ名前を持つ国産車は多数あります。
「シルビア」というクルマは、世代ごとにそのモデルが大きく変化してきました。初代のクラシックタイプに憧れる人もいれば、通称「エスイチサン」などと呼ばれる5代目に思い入れが強い人、そして現時点では最後のシルビアとされる「エスイチゴー」と呼ばれる7代目を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
その時代ごとに様々なファンを魅了した「シルビア」も、2002年にいったんその幕が下ろされましたが、このモデルの復活を待ち望んでいる人も少なくないようです。
2.希少価値の高い「初代シルビア」
シルビアのボディは、全長:3m985mm、全幅:1m510mm、全高1m275mmと小ぶりなのが特徴です。日産のスポーティ車に良く見られる、ガソリンをキャブレターのベンチュリー部に供給するジェットと、その口径の大きさを連続的に調整でき、吸気(アクセル開度)に応じてガソリンの量を合わせられるという「SUツインキャブ」が装着されています。R型エンジンの最大出力は90馬力で、エンジンとフレームはダットサン・フェアレディ1600(SP310型)と共通でした。
ほぼ継ぎ目のないハンドメイドの「クリスプルック」と呼ばれた美しいボディ、フロント2輪ディスクブレーキ、ポルシェシンクロ4速MTなどの技術が惜しみなく投じられたモデルでした。当時としては先進的な局面ガラスを採用。「クリスプカット」と呼ばれる宝石のようなシャープ、かつ継ぎ目の少ないボディパネルは、板金工がすべて“手叩き”で成形、内装も本革が多用されており、初代シルビアが高級スペシャリティカーだったことがわかります。
メカは、ダットサン・フェアレディ1600(SP311型)がベースで、当時の価格は120万円。これは同じく日産の高級車セドリックよりも高額で、1968年に生産終了となるまでに、わずか554台が製造されたのみでした。
このような背景からも、初代シルビアは極めて希少価値の高いクラシックカーとなっています。
3.トノックスと初代シルビアの関わり
トノックスの前身であった株式会社殿内製作所では、当時、日産自動車の試作及び量産メーカーとして生産を請け負っていました。初代シルビアのベースモデルとなったダットサン・フェアレディ1600(SP310型・SP311型)及びCSP311型初代シルビアの製造を担当、CSP311型は横浜工場で生産を開始し、その後、生産終了までを平塚工場で生産されました。
現在では、レストア事業にて当時の技術や記録を生かし、歴史を受け継いだメカニックが初代シルビアをはじめとするクラシックカーのレストアをさせていただいております。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は初代シルビアの誕生、その希少価値などについてご紹介いたしました。
トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績がございます。企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。
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