車両塗装の目的と顔料の種類について | 特殊車両ならトノックス
1.自動車塗装の基礎
板金塗装における塗装は、微妙な色の違いを見ながら調合した塗料をムラなく塗って修復するとても高度な技術が求められる作業です。
塗装は、車体の保護・美観・区別などのために、塗料によって物体の表面を被覆する工程です。
塗装職人はサフェーサーの塗装、研ぎと言った下地処理を行い、熟練した技でその車本来の塗装の肌艶を実現します。
塗装作業は一切ごまかしの効かない非常に神経を使う作業で、レストアにおいては車本来の肌艶を復元させる技術に加え、元の車体と同じ色を作る調色は経験だけでなくセンスや、微妙な色調を見分ける審美眼が非常に重要になってきます。
2.架装車の種類
塗膜は、光学的現象(紫外線)・物理的現象(衝突による破損など)・化学的現象(薬品や外気などが触れること)で劣化します。
その症状には、光沢低下や白亜化などの光学的機能劣化、クラックや剥離などの力学的機能劣化、錆やシミなどの化学的機能劣化があります。
環境によって塗装が劣化する要因の影響度合いは多様ですが、塗装品質を長く保つため、日本工業規格「自動車部品の塗膜通則」などがつくられています。
特に赤系(消防ポンプ車、救助工作車、消防指揮車、はしご車、消防広報連絡車、災害対応多目的車など)や黄色系(高速道路パトロールカー、衛星中継車、路面清掃車、遮音壁背面点検車、モーターグレーダーなど)の色は、紫外線によって分子が破壊されやすいため、色あせしやすいとされています。
耐久性と美観を兼ね備えた塗装を実現できる、高い塗装技術を持った特装車メーカーで塗装を施工することがとても重要です。
3.塗装の目的
塗装の目的は、自動車の美観をつくり保護することと、特装車に置いては、車両の種類や役割を明示することなどがあります。
塗装を行なう目的として大きくまとめますと次の4つに分けられます。
- ①車体の保護
- 車両を構成している材質は鋼板が主ですが、鋼板のままでは空気中の水分や酸素と反応して錆(サビ)が発生します。塗装することにより錆の発生が抑制できます。
サビや水分から守るだけでなく、塩害などから守る目的もあります。下塗り塗料や中塗り塗料など何層にも重ねて塗装を施すのはそのためです。錆は小さなヘコミやキズから広がっていくので、キズやヘコミを見つけたら早めに板金塗装を施すことをおすすめします。
- ②車体の美観向上
- 自動車の形状は、立面・平面・曲面および直線・曲線と多種の面や線を持っています。 このような複雑な形状に対して立体的な色彩感を与えることにより、自動車の美観を向上させることも塗装の目的です。乗用車の場合、メタリック塗装・パール塗装などは質の高い輝きを演出するため、大変人気です。
- ③商品価値の向上
- 同一の形状・性能を持った自動車を比べた場合、高品質で美しい塗装がされている方が商品としての価値が向上します。塗装することにより商品価値の向上を図ることも、塗装の目的の一つです。サインを入れたりデザインされた塗装も商品価値の向上になります。
- ④塗装による表示(区別)等
- 消防車やパトカーなどの特殊車両を、その役割に適した色に表示して識別しやすくするのも、塗装の目的の一つです。 塗装を施すことで別の物と区別し識別効果を高めるのは、緊急の目的で用いられる車両には非常に重要なポイントです。
例えば、パトカーには白黒ツートーン、消防車には赤といったように緊急車両と一般車両の区別をつけ、遠目で見ても一般車両と緊急車両がすぐに判断できるようにしているのです。
タクシーなども同様に、他の同業者と区別をつけるために会社ごとにマーキングや部分塗装を施しています。ブランドカラーを統一することで宣伝効果も高まります。
4.まとめ
塗装は、特に緊急車両などの特装車において非常に重要な目的があるとお分かりいただけましたでしょうか。
耐久性や美観の維持において、トノックスは高い塗装技術により最高品質の施工を実現いたします。
また、塗装だけでなく特殊車両における企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。
昭和23年の創業より働く車の専門メーカーとして、創業70年を超え多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容は計測解析業務・塗装・特殊車両製造・レストアのトノックスにお問い合わせください。
お気軽にご相談お待ちしております。