特装車とは?様々な車種とメーカー、定義や構造について | 特殊車両ならトノックス
1.特装車とは?
特装車とは汎用のキャブ付きシャーシー(トラックの運転席であるキャブと、骨組み部分であるシャーシを備えた車両のこと)のボディ部分に特別な目的の装置をつけて、一般公道を走行できる車両のことを言います。
JIS(JIS=Japanese Industrial Standards:日本工業規格)の自動車用語によると特別車扱いになります。
JISとは日本の工業製品に関する規格や測定法などが定められた国家規格のことです。
強制的なものと任意のものがあり、一般的には任意のものを「標準(=規格)」 と呼んでいます。標準化の意義は、自由にすることで多様化・複雑化・無秩序化してしまう物や事について
- 経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)
- 生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)
- 公正性を確保(消費者の利益の確保、取引の単純化等)
- 技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)
- 安全や健康の保持
- 環境の保全等
などの観点から、技術文書として国レベルの「規格」を制定し全国的に「統一」ある いは「単純化」することです。
特別車とは次に示す目的のために設計及び装備されたモータービ-クル(motor vehicle:原動機で動き道路を走る4輪以上の輸送機関のこと)を総称したものです。
- 経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)
- 特殊な装備をした人物及び物品の運搬専用
- 特殊な作業専用
- 上記の1.2.を兼ね備えたもの
特別車は次のように分類されます。
- A) 特用車(特別用途使用車)
特別な目的のためにボディに特殊な改造をし、または特殊な器具を備えている特別車のこと
例)宣伝車、緊急自動車、冷蔵冷凍車等々 - B) 特装車(特別装備自動車)
特別な機械を備え、それを自動車の原動機で駆動するようになっている特別車のこと
例)ダンプ車、冷凍車、トラッククレーン、クレーン付きトラック等々
【道路交通法における特別車】
道路交通法の自動車区分では、より明確に次のように定義されています。
- 大型自動車、普通自動車
- 大型特殊自動車、小型特殊自動車
- 自動二輪車
上記で指定されている特殊自動車とは、キャタピラを有する自動車、タイヤローラー、フォークリフト、農耕車等内閣総理大臣が指定する特殊な構造を有する自動車となっています。
通常使用している一般的な特装車の区分は、大型自動車、普通自動車となり、通常の道路運送車両法の保安基準が適用されます。
2.特装車の用途や種類
特装車は大きく分けて、商用車と乗用車に分けられます。
商用車
貨物自動車やトラックなど、多種多用途な装備を架装したりマイクロバスを改造したものがあります。具体的にはアルミバン・冷凍・冷蔵車・キャリアカー・タンクロ ーリー・コンクリートミキサー・クレーン車などが挙げられます。
これらの車両は、自動車メーカーにおいて製造された運転台(キャビン)と車枠(シャシー)の状態で架装メーカーに納入され、使用者が希望する用途に応じた装備の設計・製作・取付加工を施し、改造車検を通した上で納品されるのが通常です。
特装車は新車のキャブシャシーに架装されるのが一般的ですが、事故等で廃車となった車両から取り外された荷台を、別の中古車の荷台を取り外した上に再架装するなど再利用される場合もあります。
乗用車
完成車に対し自動車メーカー、あるいは自動車メーカー系の架装メーカーによって、専用エアロパーツやエンジン、サスペンション等への換装、ボディの改造が施されて 販売される車両についても特装車として扱う場合があります。(放送宣伝車、DMAT CAR、輸出救急車、道路巡回車など)
また、高齢者や体の不自由な人向けの福祉車両に改造される車両も特装車と区分され ます。
その他
商用の特装車は、需要のほとんどが特定の仕様に集中しており(冷凍・冷蔵車やキャリアカー、クレーン車など)、自動車メーカーによってある程度仕様を設定しカタログモデル化されているものもあります。
モデル化することで、メーカー側は半完成車として出荷できるため納期短縮、量産効 果が見込めます。また、コストを抑えることができる、完成イメージを想像しやすいなど購入する側のメリットもあります。
しかし、顧客から設定外の仕様を求められる場合もあり、特装車専門の工場で様々なニーズに応じた加工ができることは非常に重宝される技術です。
3.主なメーカー
特装車に使用されるキャブシャシーの、主な自動車メーカーは下記です。
日産自動車
マツダ
三菱自動車工業
ホンダ
スバル(富士重工業)
いすゞ
いすゞ車体
日野自動車
トランテックス
三菱ふそう
三菱ふそうバス製造
ジェイ・バ(旧・日野車体工業のバス製造部門といすゞバス製造との合併メーカーです。)
その他
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
現場から求められるニーズに応じてその機能を特化させてきた特装車。
今も建設や物流のサービス最前線で、作業の高効率化や荷役の大幅な省力化を実現するため、用途や積載物の種類に応じて幅広く進化しています。
トノックスは常に現場のニーズに応え、日常のあらゆるシーンで活躍する特装車を製造し続けてきました。
トノックスでは昭和23年の創業より特殊車両を60年以上専門に製造しており、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容は特殊車両製造専門のトノックスにお問い合わせください。
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