物流業に変革を!自動運転技術の現状 | 特殊車両ならトノックス
1.物流業における自動運転技術
あらゆるビジネスを支える物流
物流の効率化は運送業界をはじめ、物流に関わるあらゆる企業のコストマネジメントにおいて重要な課題です。しかし現代の物流に関する問題は、それだけに留まらない変化の時を迎えています。
物流はあらゆるビジネスのインフラともいえる役割を果たしており、今や生活に不可欠なスマートフォンやPCなどの電子機器も、物流の恩恵なくしては成り立ちません。
物流の効率化は、日本経済の発展や日常生活の質(QOL)を向上させることに対しても大きな影響を及ぼします。また、昨今は国際的にSDGsの目標が掲げられ、その取り組みが促進されるなど、環境汚染などの分野においても責任を担っている業界と言えます。
そのように高まり続ける物流需要を背景に、世界的にドライバー不足が深刻化し、その救世主として期待されているのが自動運転技術です。ADAS(先進運転支援システム)導入による運転負担軽減や隊列走行、自動運転レベル4(高度運転自動化)による無人化で人員不足を解消し、早期に新しい物流システムの構築がなされることが期待されます。
物流業に変革をもたらす自動運転技術の現状はどのようなものか、2022年時点における自動運転トラックの開発状況を調べてみました。
2.物流業界における課題とは
現在、物流業界には「人手不足」と「宅配需要の増加」という大きな2つの課題があります。
人手不足
物流業界の人手不足は年々深刻化し、近年は宅配需要が増加し、コロナ禍にはさらにその傾向が激化したことで、より多くの人手を得ることが急務となっています。
にもかかわらず、物流業界の人手は実態としてあまり増えていません。
その原因のひとつが少子高齢化です。物流業界はとりわけ、労働人口の減少の影響を顕著に受けています。物流業界の仕事は、業務量の多さや労働環境に対してネガティブなイメージを持たれやすいことも大きいのかもしれません。
●少子高齢化の加速
国土交通省が発表した情報(2018年)によると、国内の全産業における40〜59歳の就業者平均が約35%に対し、道路貨物運送業では約45%と高い水準となっています。一方で29歳以下の就業者平均は全産業で約15%であるのに対し、道路貨物運送業は10%以下と低い水準です。
●迫る2024年問題
今後、特に大きな問題になると予想されているのが、通称「2024年問題」です。
「2024年問題」は、『働き方改革関連法』の適用に伴い物流業界で懸念されているさまざまな問題を言います。 働き方改革では、「時間外労働の制限」や「割増賃金の引き上げ」、「有給休暇取得の義務化」など、一見労働者にとって労働環境が改善されるメリットばかりに見えますが、実際のところは人手不足や利益減少が予想されています。
例えば、ドライバーの労働時間に罰則付きで上限が設定されると、「会社の売上・利益減少」や「トラックドライバーの収入減少・離職」、「荷主側における運賃上昇」といった問題が生じる、などです。
元は、働き方の改善や魅力的な職場づくりを目指し、2018年6月に成立した『働き方改革関連法』。2019年4月からは全産業を対象に労働関係法令が段階的に施行されており、自動車運転業務についても既に一部は適用されていますが、時間外労働の上限規制については猶予期間が設けられており、施行は2024年4月となっています。
人手不足の課題を抱えたまま2024年を迎えると、物流に関する業務を今まで通り行うことが難しくなる可能性があります。
個人向け宅配需要の増加
ここ数年でネットショッピングは急速に身近になり、宅配需要が激増しました。需要の増加は収益アップとなり、望ましい変化だと捉えることもできますが、運送会社にとっては不在通知、再配達の手間などから、業務量が増加し、より人手不足が深刻化するなどの問題が起きています。
また、コロナ禍でさらに個人向けの宅配需要が高まった一方で、法人向けの荷物量は縮小傾向となっています。
物量確保のため輸送料金の値下げを行わざるを得ない企業も出てきましたが、値下げにより顧客を確保しても、薄利多売で大幅な売上アップにはならず、個人の給料も反映されません。結果的に、人手不足を悪化させることが懸念されます。
3.物流業界の課題解決に期待される技術
さまざまな課題を抱えている物流業界の未来に、一筋の光をもたらす技術として注目されているのが、自動運転やAI(人工知能)、IoT(Internet of Things)といった最新技術です。こういった技術開発が進み、実際に導入されれば、物流業界で働く労働者の負担を大きく減らすことができるでしょう。
●完全自動運転トラックの実現
完全自動運転による配送が実現すれば、ドライバー不足やドライバーの激務解消に大きく寄与すると予想されます。完全自動運転が実現すれば、ドライバーの休憩時間が不要となり、トラック1台当たりの稼働時間を伸ばすことが可能です。
さらに、一定速度での機械的な運航が可能となるため、運送計画も立てやすく効率的な配送が実現できることでしょう。現在は、隊列走行技術の確立のため実証実験が進められています。
●AIやビッグデータの活用
AIによってビックデータの分析を行い、事前に配送需要の見極めを行うことが可能になる技術です。あらかじめ配送需要の正確な予測を行い、効率的なトラックの配置や配送経路の選定ができます。
●ADAS(先進運転支援システム)の導入
完全自動運転はまだ実現に時間がかかるとしても、「自動運転レベル2」程度の部分的な自動運転の導入は徐々に進められています。
この自動化だけでも、ドライバーの負担を大きく軽減することができるでしょう。特に長距離ドライバーの場合、長時間の運転により疲労から事故に発展する恐れもあるので、ADAS(先進運転支援システム)の導入は、一般乗用車を運転するドライバーよりもさらに効果的です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「物流業に変革を!自動運転技術の現状」と題し、物流業界における目下の課題と自動運転技術がもたらす影響についてご紹介いたしました。
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