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自動運転技術の歴史② | 特殊車両ならトノックス

1.自動運転車の歴史(2000年代)


メルセデス・ベンツ・Sクラス7代目 W223型(Wikipediaより)
メルセデス・ベンツ・Sクラス7代目 W223型(Wikipediaより)


前回「自動運転技術の歴史①」では、自動運転車の国際的定義と1900年代の歴史についてご紹介しました。
今回は、2000年以降の自動運転車の歩みをご紹介したいと思います。

2014年9月から開催されている、FIA フォーミュラE世界選手権 (FIA Formula E World Championship、通称:電気自動車のF1)では、2015年11月に2016年〜2017年シーズンに人工知能を搭載した自動運転車によるカーレース「Roborace」を行うと発表しました。

2016年5月7日、米フロリダ州にて、運転支援機能が搭載されたテスラ・モデルSが18輪トレーラーと衝突し、テスラ側の運転手が死亡する事故が発生しました。自動運転初の死亡事故と誤報されて話題となりましたが、このテスラに搭載されていた運転支援機能はレベル2相当であり、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局、英:National Highway Traffic Safety Administration)がレベル4やレベル3に区分している自動運転車には該当しないものでした。
テスラの運転手がレベル2である機能をレベル3相当だと勘違いしていた可能性が指摘されています。

EUにおいては、2016〜2018年の「CARTRE」や「SCOUT」、2019年に発表された「STRIA」といったプロジェクトで研究資金支援がなされている。

自動運転(レベル3と4相当)に関する特許の件数は、2016年以前の10年間では、下記の順になっています。

1位 トヨタ自動車
2位 GM(米ゼネラルモーターズ)
3位 BOSCH(独ボッシュ)
4位 Ford Motor Company(米フォード・モーター)
5位 Google(米グーグル)

他社による被引用件数、すなわち、その特許がどれだけ別の特許に引用されているかを見ると、GMが圧倒的に多く、Googleとトヨタが続きます。

2017年9月9日、ドイツ連邦交通省 (BMVI)より「自動運転車に関する倫理ルール」20項目が発表されました。
「避けられない事故が起きた場合、一般レベルでのルールとして犠牲者の数を減らす目的を除いて、年齢・性別・心身の状態などをカテゴライズして考慮することを厳しく禁じる。」という、より具体的な部分まで踏み込んだ点が注目されました。

2017年11月、ウェイモ(2016年12月13日にGoogleの自動運転車開発部門が分社化して誕生したAlphabet傘下の自動運転車開発企業)が、運転者がいない無人運転車のテストを開始したと発表しました。
テストはアリゾナの公道で行われ、後部座席に社員が乗車するも運転席は無人でした。(レベル4に相当)
2018年10月には、自動運転距離が1,000万マイル(約1,610万キロ)に到達したことが報告され、同年12月には、アリゾナ州フェニックスで限定地域の一部ユーザーが、安全のためのドライバーは配置されていたものの、全米初の自動運転タクシー商用運用を開始しました。
そして、2020年10月には、完全無人車両での自動運転配車サービスを同区域で開始すると発表しました。このサービスは運転手が不在、トラブルの際はリアルタイムで監視担当のエンジニアが遠隔操作する仕組みとなっています。

2018年3月18日、米アリゾナ州テンピで、初めて自動運転車が歩行者をはねる死亡事故が起き(Death of Elaine Herzberg)、国家運輸安全委員会が事故調査を行い、Uber社や製造元であるボルボ・カーズ社などを巻き込んで法的責任の所在が議論されました。結果、Uberが遺族に和解金を支払い収束しました。

2019年3月、自動運転シリーズの「Roborace」に先駆けて、ロボカーは世界最速の自動運転車としてギネス世界記録を樹立しました。Robocarは282.42 km / h(175.49 mph)に達し、自動運転車の限界を押し上げました。

2020年、NTSB(国家運輸安全委員会、英:National Transportation Safety Board)の委員長は、2020年に米国で消費者が購入できる 自動運転車( SAEレベル3以上)はないと述べました。

2021年3月4日、ホンダは、自動運転装置搭載の新型「レジェンド」で、世界で初めてレベル3の型式認定を取得し、同月5日に発売すると発表。国土交通省の型式指定を取得したため日本限定で100台のリース専用車種となります。1,000万通りの状況下での安全を確認し、証明したうえでの認定でした。

2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、スポンサーであるトヨタ自動車のAuto no-MaaS(Mobility as a Service)専用EV「e-Palette(レベル4相当)」が選手村内の移動車両として供給されました。各所の停留所に定着制御することで車椅子ユーザーなどにも配慮し、運転や乗降車に対応するスタッフも添乗しました。

しかし、期間中の8月26日14時頃、この車両が横断歩道を横断しようとした視覚障がいのある柔道日本代表選手と接触事故を起こし、選手は転倒。脳震盪の可能性がある体調不良を訴え、翌日の試合を棄権する事態となりました。応急的な対策として車両が出している警告音の音量を2倍にすることが言及されました。


2.現在市販されている自動運転車

現在市販されているレベル3相当の自動運転車は、下記の通りです。
レベル3相当とは、条件付自動運転車(※限定領域)と呼ばれ、特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する機能を搭載した車両です。

2021年3月5日発売:ホンダ・レジェンド
Honda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)搭載。高速道路で渋滞した時に限り、レベル3自動運転を実現。車両周囲を2基の単眼カメラ、5基のミリ波レーダー、5基のLiDAR(ライダー)によって監視しています。

2022年5月17日発売:メルセデス・ベンツ・Sクラス、メルセデス・ベンツ・EQSクラス
DRIVE PILOT(ドライブ・パイロット)搭載。交通量が多い場合や混雑した状況下に限り、ドイツ当局から法的に許可された60km/毎時を上限に自動運転。カメラ、レーダー、LiDAR(ライダー)、超音波センサー、水分センサーによる情報に加え、デジタルHDマップ(道路の形状、ルートプロファイル、交通標識、事故や道路工事などに関する情報)を受信。万が一システムに故障が発生した場合、冗長化されたシステム設計により車両の操作性を維持し、システムがドライバーに安全に引き継ぎを行います。また、最大10秒以内に引き継ぎ要求に応じない場合は、DRIVE PILOTが速やかに自車と後続車にとって安全な緊急停止を開始します。


3.まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、2000年代の自動運転技術の歴史と、現在公道で運転が許可されている市販の自動運転車についてご紹介いたしました。

トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績があり、企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。

当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。
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