株式会社トノックス|神奈川県の特装車工場

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さらに詳しい消防車の種類とその特徴 | 特殊車両ならトノックス

1.消防車(しょうぼうしゃ)の定義

赤く塗装される前の「ミニ消防車」(トノックス工場にて)
赤く塗装される前の「ミニ消防車」(トノックス工場にて)


消防車とは、消防車両の一種であり、火災その他災害に際してその鎮圧や防御を行う際に使用される特殊な装備を持つ車両のことです。自動車のない時代から、馬車や人力車などを用いた消防車が存在していました。
自動車が発明されて以降は、トラックをベースに消防用の様々な機能を装備した車両が主流となっています。


2.可搬消防ポンプ積載車

「可搬消防ポンプ積載車」は通称「 積載車 」と呼ばれます。
大多数の市町村では、この「可搬消防ポンプ積載車」と「消防ポンプ自動車」の二種が消防団の主力装備となっております。

一般的には 3トン級の車両が多く、活動する地域の道路幅などの地理的条件によって小回りが利く軽自動車を改造したタイプの車両なども存在します。装備において「消防ポンプ自動車」とほとんど差はなく、ホース、吸管(きゅうかん)、小型の3連はしご、ホースカー(一部のみ)等を装備し、消火栓や防火水槽に吸管を入れ、ポンプで水を吸い上げホースから放水する機能を搭載しています。

「消防ポンプ自動車」と異なる点は、後部の荷台に積載した可搬消防ポンプという、車両のエンジンと分かれた、独立型の動力機で稼働する可搬式消防ポンプによって放水する点です。したがって、「可搬消防ポンプ積載車」の自動車部分は、ポンプ等を輸送する役割が大きいと言えます。
「消防ポンプ自動車」は、自動車のエンジンで消防ポンプを動かしているため放水量は多い一方で、火災現場で消防ポンプの取り外しや移動が出来ませんが、「可搬消防ポンプ積載車」 は、ポンプの取り外しや移動が可能となっています。

また、近年ではオールシャッターや跳ね上げドア式に改造するなどして、ホースや吸水官、小型ポンプ以外にも、発電機やエンジンカッターなどの救助資機材を積載して様々な災害に対応できるようにした多機能積載車の導入も進んでいます。
これらは、総務省消防庁からの無償貸与のほか、宝くじ財団からの寄贈や各地の消防団の独自購入など様々な経路で配備されます。

自治体消防(消防本部)の消防車と異なる外見上の特徴としては、車体の正面に消防団の目印である桜の紋章が入っている点や、車体の正面や側面の金色や白色の線で装飾し施された文字などです。また、車両の屋根(上部)には 防災ヘリコプターなどへの対空表示として、校区名や分団名などが表示されています。
同じ消防団の中でも 乗員が4人乗り〜9人乗りのもの、赤色回転灯やサイレンの数や形が異なるもの、後部に幌(ほろ)が付いているものなど、いろいろなバリエーションが存在しています。
一部の大学の自衛消防隊が独自に所有し、学生団員が運用している消防車の種類は、この「可搬消防ポンプ積載車」です。


3.消防ポンプ自動車・水槽付消防ポンプ自動車

「消防ポンプ自動車・水槽付消防ポンプ自動車」は略称P・Tと称されます。
一般的に消防車と言えば、揚水・放水機能を持ち、ホース、吸管、小型の3連はしご、ホースカー(一部のみ)等を装備している車両のことです。

「可搬消防ポンプ積載車」と装備に大きな違いはありませんが、自動車のエンジンでポンプを動かしているため放水量が多く、消火活動は消火栓や防火水槽に吸管を入れ、ポンプで水を吸い上げ、ホースから放水するのが基本のスタイルです。

地域によってはウインチ・救急キット(応急処置対応の医療器具や・除細動器)などを装着している車両があり、火災以外の救助・救急の際に救急車や救助工作車が到着するまで、救命処置をとることが可能となっています。

近年では盗難や凍結防止のためにシャッターと箱で覆った、オールシャッター型の車両が大半を占めるようになってきています。これらは、ポンプのアルミニウム化や小型水槽の軽量素材の採用で、軽量化した資機材をより多く積載できるようになっています。また、eモニターなどの電子システムを搭載し、効率・省力化を図った車輌も開発されています。

一部のポンプ車は総重量が3,500kg以上になり準中型自動車に分類されるため、2017年3月以降に普通自動車免許を取得したものは、場合によって運転できない車両があります。
放水には、用途によって次の三種類を使い分けています。

●ストレート注水

消火の基本。文字通り水をノズルで加速した上で放水する方式。

●噴霧注水

ノズルで水を霧状にして噴射する方式。主として消防士を煙や熱から守るために使われる。

●俯瞰注水

はしご車で火災の上方から注水する方式。

なお、同じ方式でも船上火災では呼称が異なります。
例えば海上保安庁ではストレート注水を”直接放水”、噴霧注水は霧の形状により、さらに主として消火用の「高速水霧」と、隊員防護用の「低速水霧」とに使い分けられています。

近年では水損防止対策や大型水槽車並の放水時間を確保できるCAFS機能や、少量消化薬液(ファイアドス、ファイアーエイド)を搭載した車両も増えてきています。

※CAFS…CAFSとは「Compressed Air Foam System」の略で、日本語に訳すと「圧縮空気泡消火装置」の意味になります。水に少量の消火薬剤を加え、そこへ圧縮空気を送り込むことにより発泡させる装置を指し、水の表面積を広げることで効率よく消火することを可能にしました。


4.大型水槽車・動力ポンプ付き水槽車

「大型水槽車・動力ポンプ付き水槽車」は、消火栓等の水利が無い火災現場での支援を主な目的にした車両です。大量の水をタンクに詰め、かつ小型動力ポンプを搭載しているため、本来の移動水利としての用途のみならず初期消火へも対応が可能となっています。また、小型動力ポンプではなく、普通のポンプを積んだ車輌も存在しており、その場合は「大型水槽車」ではなく「動力ポンプ付き水槽車」に分類されます。

以前は水利が少ない地域での配備、活躍がメインでしたが、阪神・淡路大震災を教訓に都市部での配備も急速に進みました。

また、近年では他の消火系車輌と同様に、水槽付きポンプ車のようにシャッターと箱で全体を覆った、オールシャッター型の水槽車も配備されており、水槽部分にPP(ポリプロピレン)素材を採用し重量の軽量化がなされています。他の消化系車輌と同じように電子モニターシステムを搭載し効率・省力化を図った車輌や、CAFS装置などを積載し水槽内の消火用水を有効に活用できる車両など、最新のデジタルテクノロジーが導入された車両が開発されています。


5.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、前回お伝えした日本の消防車とその代表的な種類について、さらに詳しい内容をご紹介しました。

トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績があり、企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。

当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。
ご相談お待ちしております。