株式会社トノックス|神奈川県の特装車工場

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トノックスの変遷と事業拡大の実現 〜最終章〜 | 特殊車両ならトノックス

1.企業家志向性の高さと立地が重要

トノックス工場トノックス工場


これまで計8回に渡って分析・考察してきた通り、大手企業から中小企業への事業譲渡、あるいは中小企業による大手企業からの事業譲受が成立するには、中小企業のEO(企業家志向性)が高いこと、そして企業間の取引関係に関わらず立地の近接性が重要であることが分かりました。

特に中小企業については、意思決定の速さ(クイックレスポンス)が強みになります。それがどこかの階層間のみでの話なのか、あるいは組織全体として考えることができることなのかといった視点で考察すれば、単に企業の規模だけで特徴を捉えるだけではない、新たなインプリケーション(見えている情報の背後にある潜在的な意味)が見えてくるかもしれません。


2.とりわけ鍵となる意思決定の速さ

意思決定の速さが何故、特に中小企業について強みになることが明らかなのかというと、これは、トノックスがアントレプレナーシップ(企業家精神)だけでは測れない、自律性が高い組織であることを見れば明らかです。

その具体的な行動が意思決定の速さ(クイックレスポンス)であり、それを可能にしたのが情報共有の体制でした。ここでいう情報共有は、組織全体の現在の技術・能力を経営幹部が把握していることを意味します。
幹部の誰かが新しい情報をつかめば、すぐにリアクションができる状態になっていたのです。計測事業の例を見ても、経営陣に事業継承の話が打診されたとき、すぐに事業性を見出しトップと前向きに検討を進めることができました。

このように、幹部の誰であっても組織全体の理想的な将来ビジョンを描けるほど情報共有することで、チャンスが到来したときに迅速に決断を下せる「クイックレスポンス」が可能となったと言えます。


3.異業種間の事業譲受を可能にした立地

既出の企業の立地については、トノックスの計測事業継承の事例からも分かるように、異業種の企業であっても地理的な近接性が譲受側と売却側の双方に有利に働けば、コストを抑えつつ比較的容易に譲渡が実現できるということがわかります。

土木分野と自動車分野の融合ではありましたが、分野横断的に事業が継承され、新しい事業を立ち上げることができました。一見無謀にも見えるこの、異業種間での事業継承は、かつての主力事業からの撤退・縮小という犠牲を伴いつつも、新規事業への参入・展開という企業の更なる成長と創造的な発展につながっています。


4.トノックスの事例から着想する未来の可能性

実務的なインプリケーションとしては、産業集積地に立地する大手企業の研究所と中小企業において、企業規模の違いに関わらず最適な事業移管の可能性があることを認識したうえで、より革新的な産業振興策を検討できるということです。

具体的には、様々な業種の大企業と中小企業が混在する地域をひとつの共同体(或いは生態系)と捉え、事業規模が小さいという理由で研究開発が止められ撤退する大手企業の事業を中小企業に売却するよう促す施策を、今後は積極的に考えてみてもよいでしょう。


5.まとめ

いかがでしたでしょうか?全9回に渡ってトノックスがどのように多角化を進め、事業を拡大できたかの要因と、それに伴いどのように技術を蓄積し、コアコンピタンス(企業の中核となる強み)を構築したのか、そのプロセスや業績との相関関係をご紹介してきました。

トノックスは、小型から大型まであらゆる特装車を開発・製造しております。その他、計測解析業務・レストアなど、個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績があり、企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。

当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。
ご相談お待ちしております。