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電着塗装(デンチャクトソウ)の技術とは | 特殊車両ならトノックス

1.電着塗装(デンチャクトソウ)の技術とは

美しく塗装された車体(トノックス工場にて)


電着塗装(デンチャクトソウ)とは、金属製の造形物に塗装する方法のひとつです。比較的低い濃度(通常5~15%)の水性塗料浴中に、塗装前の金属製品を電極として浸したのち、塗料の浴槽を対極として直流電圧を流し金属製品に均一な塗料の皮膜を定着させる方法です。
陰イオン型塗料を電着塗装させる場合は、塗装前の金属製品を陽極とし、陽イオン型塗料を電着塗装させる場合は陰極として扱います。

電着塗装は未塗装部への塗料の皮膜がしだいに広がっていく性質(つきまわり性=throwing power)が特徴で、塗残しがないこと、塗膜にたれを生じないこと、塗料の無駄が少ないなど、のメリットがあります。
なかでも最大のメリットは、塗料浴と通電条件の調整をうまく管理すれば塗装の品質を均一に管理でき、作業を職人の技術に頼らず自動的に、比較的容易に進められることにあります。

このように、電着塗装は被塗物が通電性のある金属に限られますが、多量に塗装する方法としては効率が良く、塗りにくい場所も塗り残しなく塗る事ができる塗装方法です。
また電着塗装は塗膜の密着性が高く、防錆加工としても様々な製品の製造過程に欠かせない技術です。


2.電着塗装(デンチャクトソウ)の種類

電着塗装には、大きく分けてカチオン電着とアニオン電着があります。カチオン塗装は、被塗物が電着塗装中にー極になり、浴槽の電極が+極になります。逆にアニオン電着塗装は、被塗物が電着塗装中に+極になり、浴槽の電極がー極になります。この違いの為、電着塗料もカチオン電着用とアニオン電着用とで違いがあり、また電着設備も変わってきます。
カチオン型電着塗装は、被塗物が陰極(−)になるので素地金属の酸化溶解変色などが起りませんが、アニオン型電着塗装ではこれらの反応が起り、銅・黄銅・銀メッキなどの塗装には向きません。

電着した皮膜が厚くなっていくためには、塗膜に電導性がなければなりませんが、電流が流れると直ちに被塗物表面の樹脂粒子が固形化し、ジュール熱によって融着、電気を通さない絶縁性の塗膜を形成します。
絶縁皮膜はそれ以上厚くならないはずですが、実際には厚くなります。これは、電解によって発生するガスが塗膜をポーラス(スポンジのような多孔質体)にすることで絶縁性塗膜の形成を妨げていると考えられています。


アニオン型電着とカチオン型電着の比較

項目 アニオン型電着 カチオン型電着
樹脂 カルボキシキル基をもつ樹脂 アミノ基、オニウム塩基をもつ樹脂
電着塗料液のpH 弱アルカリ性(pH=7.5〜8.5) 弱酸性(pH=5.5〜6.9)
塗料の電荷 塗料は負(−) 塗料は正(+)
塗料の被塗物 被塗物は正(+) 被塗物は負(−)
電着槽の設備 鉄またはライニング ライニングによって絶縁し、金族の溶出を防ぐ
電極の設備 ステンレスまたは炭素板


3.まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は電極塗装(デンキョクトソウ)についてご紹介いたしました。

トノックスは、以前より電極塗装技術を用いて特装車を製造、その他に計測解析業務・レストアなども行なっている製造会社です。

個人のお客様のご相談から、国の行政機関・公共団体のご相談まで幅広く対応、多数の受注実績がございます。企画・設計から、製造・整備まですべて自社にてまかなえる一貫体制が整っています。

当社では昭和23年の創業より働く車、特殊車両の専門メーカーとして創業70周年を超え、多数のノウハウ・実績がございます。詳しい内容をご希望の方は、お気軽にトノックスまでお問い合わせください。

ご相談お待ちしております。